標的9 時間は流れる ページ9
あれから幾年もが過ぎた。あの葬儀以来僕の家に、あのお婆さんーー雲雀シキと言う――が、家事や掃除などを世話してくれるようになった。多分僕の親権がシキへと渡ったのだろう。
シキは僕に冷たく接した。もちろん僕も甘えるようなタチじゃないしそれはいいんだけど、何故か力だけはつけさせてくれた。柔道、空手、剣道など。雲雀組の人達に体術も教えてもらってる。
ちなみ現在の雲雀組は、シキが仮組長を務めている。仮とはいえ、解散せずに済んだのも全てシキのおかげ。
シキには本当に感謝しきれない。
だけど、素直にありがとうを言えない僕には自分でも呆れちゃうな。
＿＿＿＿
今日も小学校から帰ると、雲雀組の人が待っている。人見知りで、人ごみが嫌いな僕は学校よりもはるかに家の方が好きだった。
真っ黒なランドセルを、自分の部屋に乱暴に置くと、急いで敷地内にある道場の方へと駆けて行く。
もちろん走ったりなんてしないさ。早歩きでね。
ガラガラと引き戸を開けば、そこには既に煙草を咥えた一人の男が立っていた。
みっちゃんこと橘光希。ユニークな奴で、いつも「みっちゃんって呼んでくれよな！」とか言ってるけど、僕は絶対言ってやらない。当たり前でしょ、従う必要がどこにあるの?
「やっと来たな坊ちゃん、今日もいっちょやるかあ！」
「手加減は要らないよ」
「へへっ随分と強く出るようになったなあ」
僕は懐から愛用のトンファーを取り出す。相手もサッとヌンチャクを取り出した。
「いくぜっ！」
その言葉を合図に、同時に駆け出す。
荒波のような小学校生活の6年間は、こうやって過ぎていくーーーー
友達?そんなの一人もいないよ。文句ある?
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南条(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 感想ありがとうございます！とても励みになります…！ (2018年4月10日 7時) (
レス) id: 05ac4354b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - とても面白いです！自分のペースで更新頑張ってください！ (2018年4月7日 4時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南条 | 作成日時：2013年8月30日 0時
