標的10 春 ページ11
桜の花びらが舞う四月。僕は中学一年生になった。時とは早いもので、この世界に来て12年にもなる。感慨深いものだね。
そして今日は並盛中学校の入学式。たくさんの親子連れが正門をくぐり体育館へと向かうのを横目に、僕は一人で校舎の方へと向かっていた。あんなに人が多いところなんて、大嫌いだ。反吐が出る。
僕は入学式なんて出る気はさらさらない。だけど、校舎の中に用があるのだ。
以前、シキは僕にこう言った。
「随分お前も強くなってきたし、そろそろ組長の座をお前にやろうかと思ってるんだがねぇ。
勿論簡単にやるつもりはないさ。お前が組長として相応しいと思う行動で、示して欲しいね」と。
ならば、この日が一番妥当だと思ったのだ。時期的にも丁度いい。
少し改造した新品の学ランから愛用のトンファーを取り出し、一直線に多目的教室へと足を運ぶ。地形はすでに頭に叩き込んである。だから迷うことはない。
多目的教室には、この学校の職員や校長を牛耳る輩がいると聞いてある。勿論、その輩は群れることによって自分は強いという錯覚に陥った、か弱い動物である。一人ならばなんにも出来ないだたの仲間意識に溺れた弱者だ。
ところで僕は第一印象がとても重要だと思う。弱者と強者の力の差はそこで即決まる。
強者は弱者になめられないように。弱者は強者に目をつけられないように。
もちろん僕はこれから
「やあ、ここがサル山かい?」
弱者を捻り潰すだけだ。
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南条(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 感想ありがとうございます!とても励みになります…! (2018年4月10日 7時) (レス) id: 05ac4354b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - とても面白いです!自分のペースで更新頑張ってください! (2018年4月7日 4時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南条 | 作成日時:2013年8月30日 0時