独り (ページ4)

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「これ以上無駄な足掻きはやめろ、ガキども」

見えたのは白のスーツを着た男

あ、ユキトさん……

見間違える筈もない

正真正銘のAの上司だ

「見てろA、銃と言うのはな？こうやって撃つんだ」

来て間も無く

ニヤリ、と笑いユキトは銃を構え

引き金を躊躇なく引いた

Aが狙っていた二人目の顔ど真ん中にその銃弾があたる

「キャアア！」

手を押さえる一人目の甲高い叫び声がまた響く

「ふん、無防備な奴だな」

「…………」

ただAは見つめるしかなかった

「二人目、」

もう一度ユキトが銃を構える

「おっと、女は売った方がこちら側としても利益になるか。

A、あの女を俺の車へ運んで行ってくれ。外には部下たちもいる」

「はい、わかりました」

ゆっくりと一人目に近づく

警戒は流石に大丈夫だ

もう闘える状態じゃない

「おいで、君はどうにか生き残れるみたいだよ」

「こ、こないで…！」

もう死んだ二人目を抱きしめたまま、

必死に声を上げる一人目

Aは強引に一人目を担ぎ上げた

手を大きく負傷してるだけあって声の割には抵抗は弱い

「こっちだ、A。よくやった」

扉の先でいつものユキトの声がAの耳に届いた