天狼月と君と僕 ページ49
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「月が綺麗ですね」
��I love you�瓩鬚海鵑壁�に
和訳したのは誰だったっけ？
だからそのせいで
勘違いしてしまうんだよ
もしかしてこの恋に
脈があるんじゃないかって
だって今夜は澄み渡る空に
絵に描いたような満月
隣で呟く君のその言葉には
額面通りの意味しかないはずで
同じように空を見上げて
「本当だね」って返すのがやっと
こんな時 気の利いた台詞を言えたら
進展するかもしれないのに
片想いの相手なら
慎重にならざるおえない
たまたま同じバイト先で
たまたま帰る方向が一緒で
たまたま近所に住んでいる僕ら
ボディガードには頼りないけど
きっといないよりはマシと
並んで歩く人気のない住宅街
ふたりきりの帰り道
寒さに託けて近付く距離
照らすのは柔らかな月灯り
こんなシチュエーションでも
チャンスには感じなくて
躊躇ってしまうのは
一歩踏み出した瞬間に
半年間 温めて育てて来た物を
何もかも失ってしまうのが
どう考えても怖いから
「この満月はウルフムーンなんだって」
聞き慣れない言葉に
僕は君の顔を見る
「狼の遠吠えに由来するみたい」
君は視線を月に向けたまま
口角を上げて呟く
「今年初めての満月に狼が吠えるからだって」
「それは今年初めてだから？」
「うん、きっとそうだよ。決意表明だね」
狼が月に向かって
今年の目標を言うのを想像して
笑ってしまう僕は
どうやら送り狼とは無縁みたいだ
あの坂道を登りきれば
君の家まであともう少し
君はちらりと僕を見て
また視線を月に合わせて
歩みを止めて呟いた
「月が綺麗ですね」
二度目なのに
声がちょっと震えてるのは
寒さのせい？それとも？
君の精一杯の声明に
僕も震えながら呟く誘い文句
「月が綺麗だから…遠回りします？」
どちらからともなく
手と手が重なれば
温もりに心も丸くなる
月を言い訳にして
ちょっとだけ逸れる道
来年のウルフムーンには
僕も立派な送り狼に
なっているのだろうか？
わざと勢いよく振り上げた
手と手の輪の中に入り込む満月
誓う言葉はちょっと先の未来
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青山白樹(プロフ) - だんぼさん» (；ﾟДﾟ)何でその設定が解ったんですか？まさか女学生がだんぼさんモチーフだって事がバレてました？笑雨の日のお迎えって面倒臭いけど2人の距離が縮まる気がしますよね。雨に濡れると甘さを増す香りの中いつまでも優しく甘い2人でいて欲しいと願いを込めました。 (2019年6月29日 18時) (
レス) id: dc26697653 (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - 青っち〜天邪鬼で意地っ張りで、でもすごく分かりやすいあの子♪ 蒸し蒸しとした季節ですが爽やかなお話の贈り物 どうもありがとう♪ただひとつだけ心配なのは傘を貰った女子が腐ってたら…（笑）ガン見され尾行されてるかも〜2人ともッ背後に注意よ〜（笑） (2019年6月29日 13時) (レス) id: b513b55378 (このIDを非表示/違反報告)
青山白樹(プロフ) - やまさん» やまさんこちらにも感想ありがとうございます。雨で諦めてたピンクムーンを早朝見つけて朱鷺色に染まり始める空の中の月がほんのり染まった様に見えたんです。ピンクと言っても実際の色とは関係ないのですが。こんな場面なら小さな秘密もきっと特別になりますよね。 (2019年5月22日 10時) (レス) id: dc26697653 (このIDを非表示/違反報告)
青山白樹(プロフ) - やまさん» 素敵な感想ありがとうございます。昔近所に古い喫茶店が有り覗いたら意外に混んでいる店内に驚いた事があります。やまさんの話を聞いて思い出して書いてみました。ソーダ水頼んでもアイスを乗っけるそんな優しいマスターと何かが始まる予感を感じて戴ければ幸いです笑 (2019年5月22日 10時) (レス) id: dc26697653 (このIDを非表示/違反報告)
やま(プロフ) - そして、一つ前のお話も大変遅ればせながら拝読させていただきました。まさに桜月夜の宵！！桜色に染まる月の光を浴びる睦じいお二人に、胸がきゅんとします♪ (2019年5月22日 1時) (レス) id: 0f4c7ca2f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青山白樹
作成日時：2014年10月2日 12時
