トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ27)

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「俺も。いきなりかけてごめんな、またラインするわ」

そう言って電話は切れた。

私はベッドに仰向けになると、わあー！と声を出したくなった。

この感覚久しぶりだ。わくわく、ドキドキ、そわそわ。

またすぐにスマホがぴかぴか光ったので画面を見ると、今度は流星。

ーー流星:ライン教えてくれてありがとう

「ふざけてるわ」

既読無視すると、またスマホがぴかぴか光る。今度は何よ。

ーー流星:デート行くん？

「はあ！？」

思わず身を起こした。こやつ、どこから盗み聞きした。

すかさず部屋の扉を開けると、大男２人が部屋になだれ込んできた。

「何してんの！」

「や、夜食食べへんかと思って…」

「嘘下手すぎ」

「たまたま通りかかっただけなんや」

「じゃあなんで２人で扉にくっついてたのよ」

仁王立ちする私の前で、２人は布団のように重なって倒れている。運動会で失敗した組体操みたいだ。

「せやけど、よかったやんか」

うつ伏せになったまま濵田さんが言う。早く流星がどいてあげないと窒息してしまいそう。

「ほんまは木曜、Aがごはん当番やったけど代わったるわ」

「あっ、本当だ！…ごめん」

思わず手を合わせると、流星が気にするなとでも言うようにひらひらと手を振った。

「ここに来て、初めてのごはん当番サボりやな」

にっと笑う２人を見て、私は胸がいっぱいになった。何もいえなくて、うんと頷くことしか出来なかった。