49、冷雨 ページ20
私の言葉一つで、イナノはさらに泣き出した。
今まで塞き止めていた涙が、滞りなく、流れ落ちる。
イナノはずっと辛かったんだろう……
父も母も亡くし、しかも父は自分の手で息の根を止めた。
幼いのに、グールを殺し、己の手を血で染めて……
そして最愛の兄まで失った……
こんなの、背負いきれるような出来事じゃない。
たった一人、罪悪感や孤独、不幸を一心不乱に抱え込んできたんだ。
これなとき、私はどんな言葉を掛けてやればいいんだろうか……？
……雨が強くなってきた。
このままだと、二人とも風を引いてしまう。
どんどん、冷たい雨に体温を奪われていく。
「……イナノ、このままだと風邪をひくよ。
私の家がこの近くだから、よければ雨宿りしてきなさい。」
静かに、イナノは頷いた。
寒い、というのもあるのだろう。
まだ泣き続けていて、肩が震えている。
……
私の後をイナノはとぼとぼとついてくる。
昼間の威勢はとうに消え失せたようだ。
もう、泣き止んではいるが、早急からうつ向いている。
私の家が少しずつ見えてきた。
カバンから鍵を取り出す。
ホント、寒いから早く家へ入りたい。
「……イナノ、着いたよ。
タオル持ってきてあげるからリビングで待ってて。
ヒーター付けてていいから。」
今だうつ向いたままのイナノ。
私の言葉、ちゃんと聞こえてるのか、心配になってきた……
するといきなり、バタンと音がした。
慌てて後ろを振り替えると……
イナノが玄関を上がった先で、倒れていた。
荒い呼吸をしながら。
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レイア - 利愛さん» わわわ！『宇井さんに妹ができました』の利愛さんからコメントとは！！小説、拝見してますよ！郡さんほど、カッコよさと可愛いさを合わせ持つ人っていないですよねぇ〜。更新、頑張りますね！ (2016年2月7日 22時) (
レス) id: 3681228ea6 (このIDを非表示/違反報告)
利愛(プロフ) - 郡さんカッコカワイイ！更新頑張ってください♪ (2016年2月7日 18時) (レス) id: 611208e6c6 (このIDを非表示/違反報告)
レイア - リリアンヌさん» ありがとうございます。すごくなんかないですよー。更新、出来る限り頑張りますね！ (2016年1月28日 22時) (レス) id: 3681228ea6 (このIDを非表示/違反報告)
リリアンヌ(プロフ) - 何かすごいんですね・・・尊敬です、頑張って下さいd=(^^)=b (2016年1月25日 23時) (レス) id: 620bb44032 (このIDを非表示/違反報告)
レイア - リリアンヌさん» クラスが普通科と理数科の２つしかないもので……。マジで決まるまで生きてる心地がしません……。まぁ、クラスで大学の推薦が決まるわけじゃ無いんですけどね……あはは……。 (2016年1月25日 23時) (レス) id: 3681228ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイア | 作成日時：2016年1月3日 11時
