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第6話 ページ7

「どうぞ」


VIPルームをノックして、中からアズールの声を聞こえて、Aは扉を開けてVIPルームの中へ、入ってきた。


「終わりましたか?」

「あぁ、終わったよ。足りないものとか必要なものは全部書いておいたよ」


椅子に腰をかけているアズールの目の前にAは立って紙を差し出した。


「ねぇアズール君、熱心なのはいいけど休みな?この間のテスト対策ノートから、不眠不休で働きっぱなしだろう?」

「…要らぬお節介ですね。自分のことをAさんにとやかく言われたくありませんね」


Aは純粋にアズールを気遣っているのだが、本人にとっては下世話のようだった。アズールは眉を顰めてAに視線を浴びせる。

そんな彼を悟ったAは「体に気をつけて」とだけ言い残して、VIPルームを静かに退室していった。


パタッと扉が閉める音がして、アズールは扉の方を眺めていた。


「……クソ」


「アズール君」


Aにそう呼ばれたのが頭の中で再生される。アズールはAにそう呼ばれるのが気に食わなさそうに、奥歯をギリィと強く噛み締める

フロイドやジェイドは呼び捨てなのに僕は君付けで呼ばれるのか。幼少期の頃から顔見知りなのにAにとって、僕はそこら辺にいるクラスメイトと同じ呼び方に腹を立てる。

だからアズールもAのことをさん付けで呼んでいるのだった。


何故、彼のことで頭を悩ませないといけないのだ。あぁ、嫌いだ。こんなにも僕を掻き乱して本人は何も知らない。そんなAが大嫌いだ。


またコンコンコン、と扉を叩く音が聞こえた。扉の向こうからジェイドの声が聞こえた。そのままジェイドは扉越しに「お客様がアズールに相談があるそうですが、今お時間はありますか?」と伝えるとアズールは中に入れるように言った。


ジェイドの後ろにいたのは華奢な体つきの制服のサイズが合っていないオンボロ寮の監督生だった。

アズールは彼女に「そこにお座り下さい」と促すと、ユウはアズールの言葉に従う。


「監督生さんのお悩み聞かせていただけますか?」


貴方はどんな手を使ってAを誑かしたんですか?

ここに来たからには必ず取引をして貰います。貴方がAから離れてくれれば、この怒りを収まるだろうか?


「慈悲なる心で、貴方の悩みを解決致しましょう」


アズールはにっこりと笑みを浮かべて言った。



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作者名: | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?utm_medium=url_text&utm_source=promotion...  
作成日時:2020年11月23日 17時

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