第4話 ページ5
「「「はぁ〜〜〜〜〜」」」」
昼休みの食堂にてエース、デュース、グリムが大きくため息を吐いた。
頭にはイソギンチャクが生えているままだった。
どうやら今日も散々な目に遭ったらしい。デュースは朝に呼び出されて、エースは掃除や購買にグリムも同様に使いっ走りされて、Aと監督生に愚痴を零した。
「A先輩って本当にあの双子の兄弟なんすか?」
「全然性格も違いますし」
「似てるといえば見た目くらいなんだゾ」
「言われたら兄弟って納得しますけど、言われなかったらそうでもないですよね」
「あの二人が似すぎているんだよ」
各々食事をしながらそんな話題を振ってきた。Aもリーチの血を引いているのは確かだ。ただ大人しくてあまり目立たない。彼らとはだいぶ雰囲気が違うせいで兄弟と知らない人が多いが、リーチの兄弟と言われれば納得はできる。どことなく似ているのだ。
短髪の髪にターコイズブルーの髪色、所々に黒のメッシュが入っている。瞳は両目ともゴールド色である。
「A先輩はあの双子と仲良くないですよね」
「俺はあの二人と違って普通で面白くないんだよ」
「そんだけの理由であんな態度なんだゾ?」
「納得がいかねぇすよ!」
エースの言葉にAは困ったように笑って返答すると、グリムもデュースも眉を顰める。デュースは昔の癖で、元ヤンの口調が乗り移る。
「はぁ、今日もモストロ・ラウンジの手伝いかよ」
「ローズハート寮長に怒らせて反省文書かされるし……」
「頭のイソギンチャクは取れなくてカッコ悪いし」
エースの言葉にデュースとグリムも続けて言う。そして2人と1匹の深いため息が重なる。
「早めに何とかしてあげたいな……」
「おや、どうなさったんです。暗い顔をして」
「あはは。ココ、イソギンチャクの群生地じゃん」
監督生の言葉に後ろから声が聞こえて、彼らは肩を震わせて上を見上げた。座っているせいでかなり彼らの目線が高いところにあった。
「僕が話しかけているのは貴方ですよ。オンボロ寮の監督生さん」
「はい!?」
ジェイドに名前を呼ばれて監督生は驚いて、ビクッと体を震わせて彼女は後ろに下がろうとするが、後ろはテーブルでつっかえて行き場がない。
そんな監督生を見てフロイドは見た目も小さいからと小エビちゃんと名付けた。
丁寧に彼らは監督生に自己紹介をすると彼らはまじまじと彼女を見つめていた。
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作者名:原 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?utm_medium=url_text&utm_source=promotion...
作成日時:2020年11月23日 17時