第28話 ページ29
Aは男の顔面を容赦なく靴で踏みつけ、壁に男の顔面をぶつけて、男は歯が折れて鼻や口からドバドバと血を出す。男達は嘔吐して既に虫の息だった。壁と床は血と嘔吐物で汚れきっていた。
Aは全ての物事を弟の基準に考えている。確かに弟と自分を比べれば劣っているかもしれないが、A単体で見れば彼もバケモン並のステータスを持ち合わせている。なんせあの双子の兄なのだから血は争えないのだ。
騒ぎを駆け付けた教師達によって、Aは振り上げた拳を下ろした。
「と言うことなのでAだけに非があると思いません。事件を起こす原因を作った彼らにも非はあります」
「暴行事件よりもオレら超やべーことをでっち上げられる所を救われたわけだし」
ジェイドとフロイドの言葉にアズールも続いて口を開いた。
「責任を負うのがAだけじゃ、引き合いません。ですが…」
3人はAより前に立つ。学園長の目の前に3人は並んで立つ。
「「「どうかAの退学は取り下げて頂けないでしょうか」」」
深く頭を下げる3人の姿にAは目を点にする。何故彼らがここまで必死になるのだろうか。嫌っている奴が学園を去るなんて願ってもないことだろう。
3人はずっと頭を下げたまま、学園長の言葉を待っている。学園長は手を口元に持ってきて考える素振りをする。学園長が退学を取り下げないと言っても彼らは納得しないだろう。額を床につける勢いで学園長に頼むだろう。それくらい必死なのを彼らの背中を見て分かった。
「…2週間の停学を明けたら1ヶ月間の学園の清掃、反省文を15枚で手を打ってあげましょう。私とっても優しいので!」
にっこりと学園長が笑って言った。ようやく3人は頭を上げて、フロイドとジェイドがAに縋り付く。
「退学取り消しですよ!A」
「良かったね〜!A」
「な、なんで…」
さっきまで澱んでいた空気が一転して和らいでいく。アズールが振り返って、ブリッジを持ち上げてキッと目を鋭くさせてAに視線を向ける。
「貴方には沢山話したいことがあります。VIPルームに行きましょうか」
学園長室を去り際にアズールは監督生に「後日お礼をしますね」と言って退室をする。Aはジェイドとフロイドに背中を押される。ジェイドとフロイドが監督生を見てお礼を言う。Aは監督生と目が合うと監督生はにっこりと笑った。何が何だか分からないまま学園長室を退室した。
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作者名:原 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?utm_medium=url_text&utm_source=promotion...
作成日時:2020年11月23日 17時