【ツイステ】オーバーキル (ページ15)

今日:8 hit、昨日:10 hit、合計:296,320 hit

第１４話ページ15

「やっぱり邪魔しに来てた？」

「…はい。これでは写真を取ってくるどころか博物館にすら入れないです…」

「魔法が使えない君達で海の中となると為す術もないと言ってもいいくらいかな」

「………っ」

「他に方法を考えようか…」

落ち込んでいる監督生を見てなんとか励まそうとするA

今日の朝と昼フロイドとジェイドのことが監督生は気になっていた。兄弟でありながらかなり仲が悪い。双子は仲がいいのに、どうして兄であるAを嫌っているのだろうかと。

嫌いなら何故あのようなことを言うのだろうか。

まるで自分のものだったものが奪われて悔しい気持ちが怒りに変わったように見える。ただの嫉妬だ。でもただの嫉妬じゃない。醜い嫉妬だ。そのせいでAを傷つけている。

「A先輩ってフロイド先輩とジェイド先輩とはずっと仲が悪かったんですか？」

「あいつらがNRC入学して以来、ろくに会話なんてしたことないよ。子供の時は仲良かったけどね。アズールとも仲良かったと思っていたんだけど、ただの勘違いだったみたい」

Aは困ったように笑うけど、その瞳はどこか悲しそうな目をしていた。監督生は自分のせいで彼らと仲が悪くなっているんじゃないかと思っていたが、そういうわけではないのか。自分が来る前から元々仲が悪かったのなら、少なくとも自分のせいではないのかと胸を撫で下ろした。

「子供の時は仲が良かったのに、NRCに入って急に仲が悪くなるって何かキッカケでもあったんですか？」

「NRCに入学したあいつらを見てびっくりしちゃって。あいつらと隣に並ぶ自信がなくて、ちょっと避けてた時期あったんだ」

「そうなんですか？」

「こんな事してんのダメだよなーと思って、声掛けてみたら、あの嫌われっぷりよ」

Aは「ははっ」と乾いた笑いを零した。

嫌っている割に双子はAのことを気にかけているように見える監督生。だけどハッキリと双子はAが嫌いだと言った。

博物館を退散する時に双子に向けられた視線が気になった。Aを嫌っているなら、誰といようとどうでもいいはずだ。自分にもあのような視線を向けられたのが分からない。エース達がいなかったら泣いていた。それくらい怖かった。

「俺の事なんかより自分の心配をしなよ？これに敗けたら君もイソギンチャクになってしまうよ」

「絶対になりません…！」

「そうそう。その意気ね」

.