第13話 ページ14
「…はぁ」
右の手のひらを見つめてため息を零したジェイド・リーチ
らしくもなくカッとなって冷たい言葉を吐いてしまった。
自分にはその優しい手で触れてくれない。その手はいつも監督生の頭を撫で背中を摩る手で、1度も自分に触れてはくれない。
目を合わせばすぐにAは僕から目を逸らす。そんなAの態度にジェイドは気に入らなかった。
NRC入学して親愛なる兄と再会出来たことはフロイドと同様にジェイドも嬉しかったけど、それは自分だけが思っていてAはそうでもないのだとジェイドは思った。
「ジェイド?どーした?」
「フロイドですか…」
フロイドはジェイドの隣に腰を下ろした。大方Aのことだろうなと察していた。何も言わなくても片割れのことは予想できる。
「オレもすっげーAのことでイラついてるよ」
「ふふ、フロイドもですか。奇遇ですね」
何があったかまでは言わない。話しても余計にイラつくだけだと分かっているから。
「そろそろ監督生さんが博物館に来る頃ですかね」
「あ〜今、小エビちゃん見たらまじで絞めたくなりそう」
「ダメですよ。そんなことしたら監督生さんのナイトがキレてしまいますよ」
「うわっ!気持ち悪いこと言わないでよ!」
2人は立ち上がり、アトランティカ博物館にて監督生を待ち伏せしていた。
ユウとグリムの他にハーツラビュルの1年とサバナクローの1年で博物館にやってきた
元の姿に戻ったジェイドとフロイドを見て驚いたのは監督生以外だった。Aと親しい監督生は何かしら話していたんだろう。
「あの、…先輩方はA先輩のこと嫌いなんですか…」
「嫌い」
「嫌いです」
監督生の質問に即答する双子。今、Aの名前を出して欲しくなかった。それも彼女の口から発しないで欲しい。
自分だけがAに優しくされて優越感にでも浸っているのだろうかと、Aの事になると途端にマイナス思考にしか走らない。
「小エビちゃん、この勝負に負けたら小エビちゃんもイソギンチャクだからね。たーくさん可愛がってあげる」
「ええ、骨の髄まで可愛がって差し上げますね」
博物館を通せん坊している双子に彼らは魔法で双子を追い払おうとするが、フロイドのユニーク魔法によって阻害されて惨敗する。監督生達は退却することにした。
監督生は双子の方に目をやると双子が焼き殺すような憎悪に満ちた視線を向けていたことに。
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作者名:原 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?utm_medium=url_text&utm_source=promotion...
作成日時:2020年11月23日 17時