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「だからてめぇは毎度言葉足りてねえんだよ!!相変わらずうっっっぜえな!!つーか、少なくともAみてえなちんちくりんとは付き合う気さらさらねえから!!」
「酷い言い草だ……」
確かに高身長の彼と並ぶには、何もかも足りていないとAは自負していた。別にそれに関して悲しいだとか、悔しいだとか、そういった感情は特になく。ただ、別世界の人なんだと割り切っていた。
五条はというと、Aは彼の言葉にそこまで感情を昂らせることがないため、いつも悔しい思いをしているのである。
追加でデザートまで注文し、お腹も満たされた14時過ぎ。ランチタイムはそろそろ終わりを迎えようとしていて、満員だった店内も客がまばらになってきた。あまり長居するのも良くないと判断したAは、すぐ隣に置いていたバッグを手に取り、立ち上がる準備をした。
「……さてと!そろそろ帰ろっか」
「ん」
少々名残惜しいが仕方がない。ここで呼び止めても不自然だと、五条は悟る。彼は帰りたくないと嘆く体を無理やり立ち上がらせて、テーブル横にかけられていた伝票を手に取った。そのまま歩を進めた五条の背中を、Aは小走りで追いかけていく。それと同時に、頭の中では冷静に物事を分別していた。
(……好きなタイプ聞けたし、彼女欲しいのも分かったし十分かな。ここまでできたら、もう五条くんと仲良くする必要もないかも)
僅かに寂しい気もするが、収穫は十分だった。硝子への報告も完璧である。いくら五条に対する恋愛調査だからと言って、2人きりで話すのも出かけるのも、きっと硝子はいい気はしないだろうとAは考えた。
今日をもって、親交を深める前の関係に戻ろうと、彼女は決意したのである。
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叶華(プロフ) - 更新ありがとうございます。とてもとても嬉しいです。これからも応援しております (2023年4月29日 2時) (レス) @page28 id: 2f3b00e51a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月5日 14時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - めちゃくちゃ面白いのにここで終わりなんですね(T^T)続きが気になります!!またの更新楽しみにしています (2022年6月10日 13時) (レス) id: d0808ae4c9 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - めちゃくちゃ面白いのにここで終わりなんですね(T^T)続きが気になります!!またの更新楽しみにしています (2022年6月10日 13時) (レス) id: d0808ae4c9 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ - 面白いですね!!! (2021年7月16日 21時) (レス) id: 165d0fbcd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐー | 作成日時:2021年5月18日 1時