A組の空気清浄機【ヒロアカ】

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世間を揺るがしたヴィランの雄英への侵入は、もう一昨日の出来事となった。まだマスコミが鎮まる気配はないが。

USJの事件以来、みんなと始めて顔を合わせることになる。久々(といっても二日ほどだが)にみんなに会えると言うことで、私はテンションが上がっていた。

雄英の門にマスコミが大勢いると言うことで、生徒全員に送られたメールには、見つかりにくい裏口の場所が書いてあった。頭に入れたはずなのに、なかなか見つからない。やっと見つけて校舎に入った時は、もう鐘が鳴る直前だった。

1-Aの教室へ続く廊下を足早にかけている時、向こうから相澤先生が歩いているのが見えた。顔と手、ただでさえ露出の少ない肌が全て包帯で覆われていた。ミイラかよ。

『何やってるんですか先生。ハロウィンはもう半年ほど先ですよ？お菓子あげるので医務室に戻ってください』

相「授業をほっぽり出す教師があるか。もう大方治った。婆さんが大げさなんだよ」

『いやでも歩く時カクカクしてますよ』

相「お前こそここで何してる。もうHR始まるぞ」

『メールで送られてきた裏口っていうのがなかなか見当たらなくてですね』

遅刻寸前だと言うのに、私と相澤先生はのんびり廊下を歩いていった。扉が見えた頃、先生がそういえば、と包帯でぐるぐるの顔をこちらに向けた。

相「USJで俺が敵にやられている時、俺を庇って怪我させただろう。悪かった」

『え、怪我ってこれのことですか？』

私は頰の絆創膏を指差した。彼が何も言わないのを見て、肯定だと察しショックだった。

いや先生満身創痍なのに何言ってんだ？

別に恩を売りたくてやったわけじゃないし、しかしそれをここで言ってもなにかが変わるわけでもなさそうだ…

『いや、謝罪じゃなくて普通に助けてくれてありがとうでいいんじゃないですか？』

相「…助けてくれてありがとう」

少し感動した。あのイレイザーヘッドにありがとうって言わせた。ねえツンデレ？これから先生のことツンデレって呼んでいいかな！？

『はい、先生も、A組のみんなを守ってくれてありがとうございます』

相「…遅刻は見逃してやる。次は除籍処分だ」

『んん？なんか怖い単語がきこえました』

私は大いに満足して笑った。

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