A組の空気清浄機【ヒロアカ】

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『ウにゃッ！！』

緑「うわあっ！！」

目が覚めて大声が出たのは、目を開けた瞬間に眼球と頭に引き攣るような痛みが走ったからと、自分の寝ている場所に驚いたからである。

そろそろと起き上がりながらゆっくりと目を開けると、そこが医務室だと気がついた。

『んー、緑谷、と、おーる、おー、おー…！？』

右を見て左を見たら、緑谷とオールマイトが私と同様医務室のベッドに寝ていたんだ。

問題はオールマイトがあのムキムキでなく骸骨のような姿になっていたことだ。

いやカーテンくらい閉めておけよとか、なんでここで普通に寝てるの？などと言う疑問の答えを探す前に、この言いかけている言葉をどう消化しようか迷っていた。

『お、おー、オールマイトにっ、髪の色が似てますねっ！！』

そう言ってカーテンを掴んで思いっきり閉めた。我ながらもっとましな誤魔化し方があったのではないか。

そしてぽかんとしている緑谷に向き直った。

『さ、さあ？誰だろうアレ、全然知らないなあ？』

緑「う、うん、それより移動さん、怪我は…？」

『怪我？怪我って言っても、私別に、』

頰のところに大きな絆創膏が貼ってあった。それから、自分で爪を立てた左腕に包帯が巻いてある。怪我って言ってもこのくらいだろうか。でもリカバリーガールはなんで直さなかったんだろう。

治「おや、起きたかい！」

『はい、二日酔い状態です』

治「二日酔いも治してやりたいがそれは体力の問題だからね、ほっぺ以外に怪我が無いんならもうお帰り」

そう言って帰らされて、気がついたら自室のベッドに腰掛けていた。

いろいろなことがあった。

『みんなが無事だったか、聞くの忘れた…』

相澤先生は、１３号先生は、あの場にいなかったA組のみんなはどうしてるかな。

まだ足元がふわふわしたな感じで、私は冷蔵庫から出したヤクルトをストローで啜っていた。中身がなくなってもしばらく吸い続けていたのに気がついて、流石に疲れていると思いベッドに横になった。

『オールマイト、弱ってたなあ』

ちらっとしか見ていないが、頰がこけて、目が窪んで、元気に授業をしていたあの姿とは同一人物だとは思えない。

私は何もできなかった。緑谷に頼るしかできなかった。

いつまでも平和の象徴に甘えている自分が嫌だった。

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Aちゃんの個性は体力を削るから、治癒婆(リカバリーガール)の体力を消費して治すっていうのができなかったっていうことです。

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