【うたプリ】もう一人の作曲家

31.誰のせい ページ31

春歌side



翔「A最近、全然練習に来ないよな。」

那月「ずっと音楽室にこもってますよねぇ。」

真斗「昨日も随分と遅くまで、明かりがついていた。」

レン「........何かあったのかな。」

みなさんがそう心配するのは無理ありません。

Aちゃんは、最近頑張りすぎている気がします。

こないだの事があってから、Aちゃんは音楽室にこもりっぱなしです。

Aちゃんが練習に来ないと、なんだかみなさん元気がありません。

トモちゃんの話によると、夜も遅くまで帰ってこないし、寝たと思ったら朝も早くから出かけていくみたい。

........Aちゃん、身体を壊さないかすごく心配です。









音也「はぁー。絶対レン達勘付いてるよね。どうするんの、トキヤ。」

トキヤ「........なんの事ですか？」

練習が終わってから、わたしと一十木くんと一ノ瀬さんの三人でご飯を食べていると、思った通り、Aちゃんの話題になった。

音也「何とぼけてんの。Aが音楽室にこもってるのトキヤのせいじゃん！」

トキヤ「それは心外ですね。わたしは事実を言ったまでです。なにか問題でもあるんですか？」

音也「問題あるよ！Aだって一生懸命頑張ってるのに、何もあんな言い方しなくたって良かったのに！」

トキヤ「........そんなことあなたに言われる筋合いはありません。大体、元はといえば、あなたが........」

春歌「二人とも落ち着いてください！」

喧嘩っぽくなり始めた二人をなんとか止める。

........他の生徒もみんながこっちを見ていて、視線が痛いです........。

春歌「今はどっちが悪いとかじゃなくて、Aちゃんの心配をするべきです！」

音也「それはそうかもしれないけど......。」

トキヤ「......................。」

春歌「........わたし、Aちゃんの様子見てきます。」

音也「え？な、七海？」

自分で言っておいて、Aちゃんの事がすこく心配になってきたので、二人を置いて急いで音楽室に向かった。








音楽室の前にくると、ピアノの音が聴こえる。

春歌「Aちゃん？」

ドアを開けて、ピアノを弾いている人物を確認すると、やっぱりAちゃんでした。

A「お、あ、春ちゃん！」

こちらに気づいて笑顔で手を振るAちゃんの顔はどこかやつれていて。

近づいていくにつれて、目の下にある隈がはっきりと見える。

ここ数日で何キロ痩せたんだろう。

春歌「Aちゃん...........。」

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