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赤司君は微笑んだだけで、隣で傘を開くと少し此方側に傾けて

「入るかい?」

と訊いてきた。
その意外な動作に目を丸くして暫し固まったけれど、首を横に振った。

「大丈夫です。折り畳みのがあるんで」

そう言って通学鞄から予備の折り畳み傘を取り出した私を見て、赤司君は「可愛くないな」と言ってきた。

「そういう時は素直に甘えろ」

「君に言われても説得力がありません」

「なら、お前を家まで送るよ。
そうしたら説得力が湧くだろ?」

「意味がわかりません」

 短いやり取りをした後、一拍置いて

「でも、君がどうしてもというならしてやらんこともないです」

顔が仄かに赤くなったので、逸らしながら言った。
なので赤司君の顔は見れなかったけれど、小さく笑い声が聞こえて手を取られた。

「本当素直じゃないな」

そう言った赤司君の後ろ姿に目をやると、耳の後ろが仄かに赤くなっていた。

(そっちの方が素直じゃないんだから)

そう思いつつも温かい左手にはしっかりと力を込めた。

第十三話「掃除と遊びは区別して」→←5



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設定タグ:赤司征十郎 , 洛山高校 , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:白仙桃 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月11日 23時

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