雅にぃのお仕事 5 ページ33
雅紀Side
診察してる間、俺の手元をじっとみつめていた拓実くん。
泣くことも暴れることもなく、むしろ余裕の表情といった感じ。
やっぱりやられることがわかってるから、安心できるんだろうね。
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こんなの、前回からは考えられない光景だよ。
実際、俺もこんなにうまくいくとは思ってなかったんだけどさ^^;
でもこれでだいぶ恐怖心は減ってくれたと思うから。
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雅「は〜い、いいよ〜
じゃあ今日はこれで終わりね〜
次来たときはまた違うやつ見せてあげるからね。」
拓「ほんとぉ? やったぁ!!」
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歯医者さんごっこ、どうやら気に入ってくれたみたいだね。
前回は汗だくで大泣きしながら帰ったけど、
今日は笑顔で手を振ってバイバイしてくれた。
虫歯も一か所、小さいのがあっただけだから治療もすぐ終わるかな。
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一週間後、拓実くんはまったく怖がることなく診察室に入ってきた。
今度は治療で使う風や水を手にかけてやったり、
唾液を吸うバキュームを手のひらにつけてやったり・・・
治療で使う器具を一通り説明してやった。
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俺が説明している間、キラキラした目でそれをみつめていた拓実くん。
見たことない治療器具がいっぱいで珍しいんだろうね。
俺にもだいぶ打ち解けてくれたようで、
その後の治療も嫌がることなくやらせてくれた。
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まぁ、削る時はちょっとビクついてたけど、
その前に一回見せてあげてあったから、不安も最小限に抑えられたみたい。
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あれだけ泣いていた子が、ここまで変わってくれるとは・・・・
ちゃんと一つ一つ説明すれば、ここまで恐怖心って減らしてあげられるんだね。
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今回のこの試みは時間があったからできたことだけどさ、
普段からもできるだけ細かく、何をするのか説明してやった方がいいのかもしれないなぁ。
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俺ももっともっといい歯医者さんになって、
子どもたちから少しでも恐怖心をなくしてあげなきゃ!!
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この仕事やってるとどうしても泣き顔ばっかり見ることになっちゃうけど、
やっぱり泣き顔よりは笑顔の方がいいしさ。
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子供たちの笑顔をつくれる歯医者さんになること!!
これが俺の目標!!
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
