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しばらくして、一台の車が近くに停車した。
中から出てきたのは、潤くん。
俺と、一緒にいた相葉さんの顔を見るなり驚いたようにな顔を見せたが、それでも何も言わず、微笑んだ。
「ごめん、お待たせ」
「ううん。急な連絡だったのに。……ありがと」
俺の隣でビクビクと不安に怯える相葉さんを落ち着かせるように、声をかける。
「相葉さん。俺の信頼できる友達。迎えに来てもらったから。……家まで送ってもらおう」
無言で首だけ縦に振り、肯定の意を示したことを確認して、潤くんにお願いをする。
「ごめん、送ってもらえる？」
「もちろん。そのために来たんだから」
そう言って、潤くんは車まで誘導してくれた。
車の後部座席に乗り込むと、寒いだろうと事務所から持ってきてくれたらしいバスタオルを数枚手渡してくれて。
こんなにも優しくて気を遣える潤くんが友達でよかったと、心からそう思った。
後ろから相葉さんの家まで道案内をして。
到着した頃には先ほどまでよりもさらにひどい土砂降りになっていた。
「潤くん、ホントありがと。あとは大丈夫」
「…本当に大丈夫か？なんかやれることあるなら少しは手伝うけど」
「うん。ありがとう。でも大丈夫よ。あとは何とかなると思う」
潤くんは少し悩むように顔をしかめて、頷いた。
「…わかった。でも、何かあったらまたいつでも連絡しろよ？俺、もう今日はこのまま家に帰るつもりだしさ」
「ありがとう」
「また明日、諸々確認したいこともあるし、連絡するから」
「うん、わかった」
相葉さんをタオルに包んだまま車から降ろし、雨の中走り去るその車を見送った。
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作者名：aim | 作成日時：2019年6月16日 15時
