月夜に、恋。＊２ (ページ2)

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「…何があったのかよく分かんないけどさ。気持ちは伝えられたの？」

「気持ち…？」

「その人のことが、好きだっていう、気持ち」

この上なく真剣に、伝えたつもりだ。

そしてそれは、相葉さんにもちゃんと伝わっていると思う。

…俺に対してどう思っているかは別として。

「……伝えたつもりだよ。それこそ、こんな俺に似合わないくらい真剣に」

「じゃあ、…大丈夫なんじゃないかな」

潤くんの方を見ると、アーモンド型のその瞳が優しく笑っている。

「その気持ちがちゃんと伝わっていれば、…きっと大丈夫だよ。ちょっとの勇気を出してさ、もう一歩、踏み出してみたら？」

そう言って席を立つと、俺のために買ってくれたらしい温かいコーヒーを渡され、彼はその場を立ち去った。

「……ちょっとの勇気、か」

カップの中に揺れる、コーヒー色の波の中に自分の顔が映る。

俺の気持ちに対する返事は、まだもらっていない。

確かめたい気持ちもあるけど、…フラれた時のショックも大きいだろうと思うと、なんとも言えない気持ちになる。

「はぁ………、」

悶々としたこの気持ちを抱えたまま毎日を過ごすのも、限界に感じてきていた。

ブーーーーーー……、

スマホの震える音がして、それを取り出すと、そこに映し出された名前はたった今想っていたその人。

「……っ、」

出るかどうか、一瞬迷って。

「……、もしもし」

でも、相葉さんの声が聞きたくて。

ちょっとの勇気を、出した。