1 ここはどこ？ ページ1
A side
とある…
夏の昼下がり…
外では…
たくさんのセミがジージーとせわしなく鳴いている…
あぁもう…
うるさい！
わかってる！
すぐ起きるってば！
イライラしながら…
騒がしいBGMに向かってありったけの声で叫ぶ…
あれ？
ん？
私…
寝てた？
ぼんやりしながら…
静かにゆっくりと目を開けた…
え？
ここは？
目の前に広がる予想外の光景に…
戸惑いを隠せない私…
目だけをキョロキョロ動かし…
取り敢えずは状況把握…
ここは…
もしかして病院？
でも…
どうして？
まさかの状況に…
パニクり気味の頭を一所懸命整理しているところに…
若い看護婦さんがどんどん近づいて来る…
看「はいはいAちゃん…
今日もしっかり体温測りましょ(笑)？」
ははは…
Aちゃんって…
看「え？ああぁぁっ！」
え？
看「はっ！あっ！た…大変！目…目…覚ましてるっ！
目…覚ましてます！Aさんが！」
目の前の看護婦さんが…
慌てた様子でナースコールをしている…
しばらくして…
バタバタという音と共に慌ただしく先生達が入って来た…
先生「やぁAさんはじめまして…」
A「…」
先生「Aさん？」
A「…は…はい…」
先生「ここがどこだか分かる？」
A「まぁ…」
先生「僕は君の主治医…
君は駅の階段から落ちて今までずーっと意識を失っていたんだよ…」
A「え？」
ずーっとって…
どういうこと？
何も思い出せない…
てか…
そもそもどうして私は駅の階段から落ちてるワケ？
A「う゛うぅっ…」
思い出せそうなのに…
思い出せない…
思い出そうと努力すればするほど…
頭の奥が割れるようにズキズキ痛み出す…
先生「そんないきなり頑張らなくても(笑)…
もっと気を楽に…
心配しなくてもそのうち自然と思い出すよ…」
A「はぁ…」
先生「あっそうそう…
お家の方はじきここに来るからね…」
A「ありがとう…ファァァ…ございます…
あぁ私なんだか…ファァァ…
また眠くなってきた…少し休み…ます…
ね…」
しばらく使われてなかった私の頭はすぐに限界を超えたのだろう…
またあっという間に意識が遠退いてしまった…
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2016年9月19日 17時
