【原神】八神目〜璃月編〜 (ページ35)

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鍾離「「往生堂」とは葬儀業者で、人々を安心して極楽浄土
　へと送り出すためにある」

ﾊﾟｲﾓﾝ「あ、あれ」

パイモンは思っていた説明と違って、キョトンとする

タルタリヤはそんなパイモンの反応を見て笑う

ﾀﾙﾀﾘﾔ「ははっ、まさか鍾離先生が殺し屋かと思ったのかな？
　ファデュイのお友達の中には確かに殺し屋はたくさんいるけど「往生堂」は
　違うよ……少なくとも表向きはね」

空「表向き……」

ﾀﾙﾀﾘﾔ「一応「稼業人」だからね、詳細は言えない。とにかく、君たちに紹介した
　理由は……」

タルタリヤが理由を説明しようとした時、鍾離が止めた

鍾離「お前、暑くはないか？」

鍾離はユリスに言った

今日は雲一つない快晴で、少しだけ蒸し暑い

『いえ、大丈夫ですよ』

ユリスが笑顔で返すが、鍾離が「倒れたら大変だ」と心配をするので、仕方なくアウターを脱いだ

まあ、着てても着てなくてもあまり変わらないけど……脱いでいた方が楽ではある

そんなことを考えながらアウターを椅子の上に置くと、鍾離が大きな音を立てて立ち上がった

みんなびっくりして目を丸くする

『鍾離……先生……？どうしたの———』

ユリスが心配そうに鍾離へ伸ばした手が、引っ張られ、手首をしっかり掴んでそのまま店の外へ連れ出されてしまった

鍾離は無言で…少しだけ怒っているようにも見受けられた

その握る手の力は強くユリスは少しだけ怖くなった

そして路地に入り、両手を壁に押し付けられる

鍾離「どうしてお前がここに……！」

『え……』

どうしてって……公子に教えられて……

鍾離「俺は来るなと言ったはずだ！」

鍾離は地面を向いたまま、怒りのような……でも悲しみを含ませた言葉で言う

『鍾離先生……？どうしたのですか？』

ユリスが眉を下げながらそう問いかけると鍾離はハッとユリスの顔を見た

そしてしばらく考え込むようにすると、「すまない……」と言ってユリスの手をゆっくり離した

『———一つだけいい？』

ユリスは瞳を金色に輝かせ、ニヤッと笑った

鍾離は帰ろうと店へ向けた体をもう一度ユリスの方へ戻す

『助言をするとすれば、この子の前では、こんな真似、もうしない方がいいと
　思うわよ』

鍾離「ーーーーか…」