【原神】八神目〜璃月編〜 (ページ15)

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パイモンは少し不満そうだった

そしてその人は何かが繋がったかのように、ハッとした

「あっ！この絶雲の間を安全に行き来できるってことは……なるほど！」

『？』

「あなたたちは……きっと仙人の使いなのだな！俺ら兄弟を助けるため
　仙人様が遣わせた使者なのだろう！」

その人は顔をこちらに近づけて必死に言う

パイモンは少し引いたような顔で空とユリスの方を見た

ﾊﾟｲﾓﾝ「ちょっと、この人なに言ってるか分かんない……」

その人は今度はこちらに手を合わせて拝み始めた

そして落ち着いて話をし始めた

「慈悲深き仙人の使いよ！どうか助けてほしい！俺ら兄弟は貧困に苦しんでいた
　だけなんだ。だから琥牢山(ころうざん)の琥珀に宝があるって話を聞いて魔が差して
　しまった」

それで仙人の物を盗もうと！？

理水の琥珀は相変わらずすごい……でも、貧困で苦しんでいたとはいえ、やってはいけないことがある

「琥珀から掘り出した宝を売って、家計の足しにしようと……だが、宝を
　探すため山道に沿って登っていたら、俺の兄弟が琥珀に……喰われて
　しまったんだ！」

その人は肩をガタガタと震わせながら言った

「もう怖くて恐くて、俺は一目散にここまで逃げてきた。
　今になって考えると、仙人様の敷地に侵入してしまい、それで天罰を
　受けたのかもしれない」

ある程度、反省はしてるみたい

兄弟がいなくなって不安だろうに、これ以上咎めてしまってはもっと可哀想

「兄弟を助けたいが、どうしたらいいのか分からなかった。
　だから、ここでひたすら仙人に許しを乞おうと。
　そしたら、三人の仙人の使いが来てくれた……」

ﾊﾟｲﾓﾝ「オイラたちは仙人の使いじゃないぞ、オイラたちも仙人を訪ねに来たんだ」

パイモンが訂正すると、その人は恐怖で頭が回っていないのか、顔を左右にひたすら振った

「いや、いやいや、違いない！きっとあなたたちは仙人の使いだろう！
　李当が閉じ込められた琥珀はこの山のどこかにある。
　慈悲深き仙人の使いよ！どうか助け出してほしい……」

空とユリスは顔を見合わせる

二人とも呆れたようにため息をついてから、安心させるようにその人の肩にトンと手を置いた