緑の情念9 ページ23
私は…兄との関係は昔から冷えきっていた。
いつだったか、小学校の遠足で山登りをしたことがあった。私と兄の学年がちょうど同じ山に登ることになったのだ。
皆各々の友達と登っている中、私は一人だった。
運悪くそんな日に限って水筒を忘れた私は喉が渇き、意識が朦朧としていた。
そしてついに山道で倒れたのだ。立ち上がろうとしてもうまく力が入らない。周りに人はいなかったけど、後ろから話し声が聞こえた。
誰か知らないけど助けてもらおう、そう思って力を振り絞り頭を動かすとそこには兄と兄の友達がいた。
話に夢中で此方にはまだ気がついてないようだけど、もしかしたら…
もしかしたら、こんな時くらいは助けてくれるのかもしれない。
でもそんな微かな希望は一瞬で打ち砕かれた。
"あれ？あそこで倒れてんの、お前の妹？"
"は？…、違うって。"
"いや、そうだろ。ってか助けないの？"
"……どうせバテてるだけでしょ。
おい、
邪魔"
助けるどころか邪魔と言い放ち先に進んでいく兄。家族とすら思われてない。
一瞬目があった。
冷たい目……妹がこんな場所で倒れていることを知られて不快だったのだろうか。
…また、嫌われちゃった。
もし私が、もっと出来る子だったら…兄みたいに優秀だったら。…私のことを見てくれる？家族だと、認めてくれるのだろうか
そうだ、このくらい自分でなんとかしないと。
何でも一人でできるようにならないと、お荷物だと…邪魔な存在だと思われてしまう。
嫌われたくない
…本当はもっと兄妹らしいことがしたかった。
一緒に遊んだり、勉強を教えてもらったり。
…でも
『………私は…、…会話も…喧嘩さえさせてもらえなかった…っ！
頼る？心配って何？そんなの知らない！
自分で対処しなきゃ…全部一人でやらなきゃっ｢ねぇ。…僕はAちゃんに何があったかは知らない。けど、誰かに頼ったら嫌われる、なんて思ってるならそれは間違ってるよ。
むしろ何も言ってくれない方が不安だし嫌。
Aちゃんはもう一人じゃないんだよ。一人になんてさせない。
…キミは僕に…僕達に必要とされてるんだから。｣
…！！
『私…必要とされてるの…？』
｢当たり前じゃん。むしろそこを疑問に思ってたなんて心外なんだけど？｣
『そっ…か……
皆に、頼ってもいいんだ……』
まっすぐ見据えるチョロ松君と目が合う。
甘えても怒られない
嫌われない
許してもらえる。
今まで心につっかえていたものが少しだけ消えた気がした。
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milk - 本当に面白い！！この作品は完結がもの凄く気になります…！！続き待ってます！！ (2022年8月26日 22時) (
レス) @page47 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます (2022年8月18日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - 続き凄く見たいです…もう更新されないんですかね？？ (2020年11月28日 16時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 続き見たい早く気になる (2020年11月14日 16時) (レス) id: 7ce7f2c2ab (このIDを非表示/違反報告)
Nori(プロフ) - なり金さん» 再びコメントありがとうございます(*´ `)小鳥が飛び立ったシーンでしょうか？差し支えなければ教えてください…笑カラ松パートでの課題はカラ松語なんですよね。未だに分からない笑 (2020年6月23日 16時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月10日 17時
