8話 ページ10
粉々に砕かれたスマホ。
満足そうな笑顔を向ける彼。
『会社に電話しなきゃ……』
ノイズ混じりに聞こえた上司の声が、さっきまでアバよくば、逃げる為の用事にしようと思っていた思考を分散させた。
「オレー無視されるの、嫌なんだけど……」
『つっ』
フロイドが俺の手首を掴み、家に引き込む。
少し痛いぐらいで、思わず顔を歪めた。だが、それ。フロイドにバレる事はなかった。
「アズール〜、Aに仕事の電話来てたからスマホ ギュってして来たー」
「流石ですねフロイド。では、準備を始めてしまいましょう。」
部屋に戻れば、テレビをつけて ニュースを見ていたアズールがいる。
アズールは、フロイドの声掛けでテレビの電源を落とし、俺に向き直す。
粉々になったスマホ……閉ざされた逃げ道……そしてフロイドさんが上司に言い放った言葉が俺の思考を困惑させる。
準備とは？？
『アズールさん達は何がしたいんだ。なんて事してくれるだ……』
声が震えていた。
俺は仕事に向かっても良かった。いや、行かなくては、ならなかった。
逃げ出したかった……
「だからーオレ達は助けたいだけなんだってばー」
掴まれた腕が解放され、体が温もりに包まれる。
「オレ、Aとこの世界が面白くてちょー好きなの。
飽きないの、だからAが居てくれないと駄目なの」
楽しいのが見れなくなっちゃうし
と言われた。視界が黒く染まる。
「泣かないで」
と言われて初めて、俺が今泣いていることを意識した。視界を覆うのはフロイドさんの手だろう。
「言ったでしょう。僕達は貴方を救いたい。そうです、僕達ならAを生きたいと思える様に、今の状況から救ってみせます。」
涙を拭われ視界が解放される。
目の前にはアズールさんが黄金に輝く紙を持って立っていた。
それは、天から伸びる蜘蛛の糸を垂らした釈迦の姿の様にも見えた。
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そぅ - 画力、分けて( ﾟдﾟ)ﾎｽｨ… (2020年9月14日 21時) (
レス) id: 9f170fb38f (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 微笑ましい…。見ていて、癒されました!!これからも楽しく読ませていただきます!! (2020年8月16日 18時) (レス) id: 5ad600b11d (このIDを非表示/違反報告)
突然変異体(プロフ) - ゆきなさん» なめこです、分かりにくくてすみません。 文はのんびり書いております。優しい言葉ありがとうございます (2020年8月10日 21時) (レス) id: 8afb678107 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - キ○ピ○かな？wフロイド推しです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2020年8月10日 21時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
突然変異体(プロフ) - シャドウさん» ありがとうございます！フロイドはやっぱり幼いこと組み合わせても同い年感覚が有りそうでこうなりました。 オクタっていいですよね (2020年7月31日 10時) (レス) id: 2990125dab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：突然変異体 | 作成日時：2020年7月14日 23時
