□12. ページ13
『もしかして、このスタジアムに爆弾が…?』
「その可能性が高い…、まてよ、確かヒントがあったよな」
ポケットからメモ帳を取り出した新一。
私は横からそれを覗き込んだ。
少し雑な字で書かれているそれだけど「…やっぱりそうか」と意味が分かったのか呟いた新一。
『どういうこと?』
「上からの雨は雨冠。下から人はにんにょう。左の手はてへん。そのまま示すはそのまま示。左の木はきへん」
『…それって、』
「…電光掲示板だ」
新一の言葉に、私は電光掲示板の方へちらりと視線を向けた。
そういうことか。
次は米花、NEXT米花…って地下鉄の電光掲示板のことだったんだ。
「…まずいぞ、急いで確かめねーと!」
『確か車にスケボーが…』
「ああ、博士に車のキー借りて来るぞ!」
·
博士から車のキーを奪うようにして借りてきた新一は、車のところで待っていた私の元へ走ってきた。
『新一!』
「ああ、分かってる!」
スケボーを出した新一は、後ろに私を乗せると「ちゃんと捕まってろよ!!」とスピードを上げた。
焦っている様子の新一は、いつもに増してスケボーの加速が凄い。
帽子が飛んでいきそうになるのを恐れつつも、ぎゅっと彼の腰に手を回した。
「くっそ…どこか登れる場所はねーのか…!」
上手く段差を跳ねながら交わした新一は「あれか…!」と小さく呟くと次の瞬間には──……
『きゃ…っ!!』
急な柱をスケボーで登り始める。
少ししたところで壁の側面を走る新一に思わず目を瞑りそうになった。
…けど、これくらいでビビってる暇はない。
自分の意志で新一についてきてるんだから。
「届けぇ…!!」
『…っひ、』
ふわあっと体が浮いたような感覚。
そう、ジェットコースターの急降下する瞬間みたいな。…なんて呑気なこと言ってる場合じゃないけど。
だって実際に私たちの体は空中にいたから。
ギリギリのところで手すりに捕まった新一。落ちそうになったスケボーを抱える私のことを片手で掴みながら。
「危ねぇ…」
『あ、帽子が…』
新一の帽子が地面に落ちていく。
…そんなの気にも留めていないらしい新一は、ゆっくりと私のことを引き上げた。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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