□１１． ページ12
side change.
『なにそれ、暗号？』
「うおっ…」
トイレから出てきてみんなのいるところへ戻ろうと歩いていたところ、影のところでしゃがんでいる新一の姿が目に入った。
変声期と携帯を片手に、何かをメモしていたから覗き込んでみると驚かれる。
しーっと人差し指を立てた新一にコクコクと頷くとすぐ隣にしゃがむ。
「あ、いやなんでもないよ」
変声期で電話してるってことは、電話の相手は蘭だろうか。
そんなことを考えながらスラスラとメモ帳に暗号のようなものを書いていく新一の手元を見つめた。
「───分かった、少しだけ時間をくれ」
ぴ。…と通話を切った新一。
事情を聞いてみると、なにやら爆破予告があったらしい。…仕掛けられている場所は分からない。
『青い少年と、青いシマウマ…上からの雨、下から人が左の手でそのまま示すのは左の木？』
「ああ、そうだ」
ザワザワと飲み物や双眼鏡を持った人が歩く中、さっき新一に説明されたそのヒントを口にする。
…しかも爆破まで残り40分って。
『んー、なんかモヤモヤする！！』
そんなモヤモヤを抱えながら足を進めていると、中継のカメラが目に入った。
インタビューを受けているのは小学生くらいの子たちだった。
「みんな、スピリッツとガンバのマスコットキャラクターは知ってるかな？」
「スピリッツはゼブラくんって言うんだぜ！」
「キックが得意なシマウマだよねっ！」
足を止めた新一につられるようにして私もその場で止まる。
「じゃあ、ガンバのマスコットは分かるかな？」
「知ってるよ！青いんだよね！」
「ガンバボーイって言うんだよ！」
シマウマのマスコットに、青いガンバボーイっていうマスコット…。
謎の既視感に、私は気がつく。
頭に浮かんだのはさっきの暗号だ。
『新一…！』
新一も気がついたらしく、私の腕を掴むと駆け出した。
…まぁ、私が気がついたんだから当たり前だよね。
車椅子席までやってきた彼は、スタジアムの中を覗き込む。
このハーフタイムに、コートでボールを取り合っているのはさっきのマスコット2匹。
『青い少年と青いシマウマだ…』
「くっそ…なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ！」
眉をひそめた新一の横で、私はコートをぐるりと見渡した。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しい限りです！！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月23日 20時) (
レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです！頑張って下さい！ (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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