目を背けていた現実を見る。 ページ41
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夜遅くにパパが帰ってきた時には、
それはしっちゃかめっちゃかだった。
多分、パチンコに負けたんだろうな、
なんて思いながら、
酒！！と叫ばれたため、お酒をだす。
何かあって、逆らったら、
勝ち目がないのは目に見えていた。
通帳は私のカバンの中に入っているし、
印鑑は疑いもしない花のランドセルに入れている。
だから、パパが気づくことは一切ない。
｢ねぇ、パパ。｣
父｢んだよ、｣
｢このままで、私たち幸せになれるのかな？｣
父｢何が言いたいんだよ！｣
｢花たちはまだ幼いし、
私は進路だってある。大和たちも高校生になるんだよ。
これ以上にお金がかかる中で、私の稼ぎだけでは、
どうにもならない。
そんなこと、パパが1番わかってると思うの。
だからお願いします。
少しだけでいいから、バイトでもなんでもいいから、
働いて欲しいんです。｣
けど、パパを見捨てるとか、
そんな事はしたくなかった。
ママに捨てられて、悲しくて傷ついた気持ちを、
パパにやるのは違うと思ったから。
だから、頭を下げた。
パパは別に、酒癖が悪いだけの人だから、
根が悪いわけじゃないと思う。
なんだかんだ、
パチンコとかで勝ったお金は机に置いといてくれるし、
余った景品でお菓子を持って帰ってきてくれるから。
だから、そんなパパの優しさに、
かけてみたいと思ったの。
揺れるような瞳を見つめる。
父｢お前たちに迷惑をかけてるのは理解している。
だがな、辛いんだよ、俺も。｣
｢パパ、｣
父｢今更探したところで、雇われるわけが無い。｣
｢パパ、ごめんなさい。
本当はパパを見捨てようと思ってた。
自分から酒を辞めないから、何言っても無駄だと思ってたから。
だけどね、ある人が教えてくれたの。
言いもしないで人なんて代われないんだって。
だから、パパに話してるの。
ねぇパパ、失敗してもいいんだよ。
それでも、少しづつ前を向いて、頑張ってみない？｣
今日、御影くんが目の前で言ってくれたから。
何も言わないままで、
反応しない方がいいと思ってた。
我慢すれば、何とかなるんだと思ったから。
けど、そうじゃなくて、
ちゃんと言葉にしないと伝わらないことがあるって、
教えてくれたから。
パパは泣きながら、何度も謝っていたから、
私はパパの背中を撫でる。
昔泣いてた私に、ママがしてくれたようにと。
目の前の現実を、ちゃんと見た。
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りす(プロフ) - 最高です！こんな言葉で言い表せないほど、良かったです！！読んでいる間は至福の時間でした！主様の作品はどれも好きです！応援しています！ (8月22日 23時) (
レス) @page50 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 言葉の選び方が本当に素敵すぎて途中泣きそうになりました...これタダで読めてるってマジか！本出して欲しい切実に。 (5月16日 12時) (レス) @page50 id: 3541bd87bc (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 最後の最後でやべーやつでわらいました笑笑 さすが玲王… (2023年3月2日 1時) (レス) @page50 id: 3f4ee46d03 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - 完結おめでとうございます！マジで最高でした！ヤンヘラ玲王くんいいですね。。 (2023年2月26日 2時) (レス) @page50 id: 648f5dae27 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 最高でした！！これからもご活躍を願っています (2023年1月31日 22時) (レス) @page50 id: 5a9946419b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年1月2日 22時
