Page8 ページ9
「ちょっと！太宰さん？！」
ずんずんと手を引いて昇降機の釦を押す彼。
「だざいさん！」
『はい。此処が私の執務室。服は...うん。そうだなぁ。此れ着てみて。』
執務室へ着くとまだ状況が掴めて居ない私に、明日の仕事内容やスーツの試着と、そんなのが頭に這入る訳ない。
「太宰さん！！！！」
腹の奥から自分でも五月蠅いくらいの声を出し、私を無視する彼を見詰める。
『うるさいなぁ..何だい？』
「なんで接吻したんですか。」
.....
沈黙が流れる。
『..........なのかい？』
「え？」
様子がおかしくなった太宰さん。
『だからっ...恋人に接吻をするのは悪い事なのかいっ！』
云い放った彼の顔は、朱に染まっている。
「私の事...好きなんですか？」
そう問うと、熱を持った頬を摩りながら、
『今更何を云っているんだい？弱味を握るなんて只の建前。一目惚れだよ。』
ぽん、と肩に手を乗せられると、彼の控えめな香水の匂いが漂う。
「なっ....！」
ぼわっと首から熱が上がってきた。
そのまま引き寄せるように抱きしめられ、＿＿＿
『愛してる。』
私の身長に合わせて姿勢を崩して、はぁ、と態と息を吹きかけながら云った。
「私、好きな人とか、出来たこと無いです。し、こ、恋人も....」
『うん。』
抱きしめられた儘、細い手が髪を掬う。
「でも....太宰さんが、ほんとに、愛をくれる、なら＿＿＿
仮の恋人、頑張ります。」
心臓がぎゅう、と絞られるような痛みを覚えながら云った。
『はぁ。仮なんて非道い事を云って呉れるじゃあないか。』
なんて腕の中で、彼の鼓動が速くなるのが確りと伝わった。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←Page7
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うどん(プロフ) - かりしゅまさん» どういたしましてどういたしましてどういたしましてどういたしましてどういたしまして (2018年10月11日 20時) (
レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
かりしゅま - ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2018年10月10日 22時) (レス) id: b0789ec004 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - まんじゅうねこさん» ティッシュあげます (2018年9月30日 21時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 月瀬ゆうめさん» そーれねっ (2018年9月30日 21時) (レス) id: d550fea9be (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ - やばい…太宰さんのツンデレが鼻血モノ…(出したくても鼻血出せない人) (2018年9月23日 15時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うどん | 作成日時：2018年8月15日 20時
