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「Aちゃんが強がって無茶するからでしょ」
「そんな、心外です！大丈夫なものは大丈夫なのですッ！」
プイッとそっぽを向く。
太宰がくつくつと嗤えば、彼女の頬が赤くなる。
珍しく年相応な少女の反応が、太宰にとっては微笑ましい限りだった。
Aからの非難の視線をものともせず、口元へ手を当てて嗤い続けた。
「むぅ…。『異能力＿＿＿＿＿＿』」
わざと声に出して嗤う太宰に言い返す気力もなく、Aは目を閉じ、異能を発動させた。
脳内に流れる未来を見やる。
変えはしないので次に何が起こるのか、自身に降りかかる危険は何時頃か。
只々見守る。勿論、注意深く。
「何か見えたかい？」
「み、見えました。見えましたけど……ッ！？」
閉じていた目をこれでもかと見開いた彼女は、すぐさま地面に飛び降りる。
太宰の背に隠れ、警戒した様子で周囲を見回した。
「……引っ張らないでくれ給え。外套が伸びる」
「ご、ごめんなさい。だって………予想外だったものだからッ」
そんなの聞いてない、そんなの聞いてないッ……！！
真っ青な顔で同じ言葉を繰り返すA。
外套をギュッと握り締め、太宰に身を寄せる。
「何か良くない事が起こるのかい？」
「はい。＿＿＿＿
「その案件は、私ではどうにもならない？」
「……仮にどうにかなったとして、お兄ちゃんと対面したいですか？」
「絶対イヤ、断固拒否だ。蛞蝓に関わる案件なら、悪戯以外では協力出来ないねぇ」
＿＿＿＿＿＿即答。本当に素早かった。
分かってはいたものの、協力は望めないと分かってAは少し落ち込む。
あからさまに肩を落とした彼女を慰めるかのようにその頭を撫で、太宰はビル街の方を指さした。
夜が更け始めてもなお人通りが途切れることを知らないそこは、背の低めな彼女が紛れ込んでしまえば、探し出しかつ捕らえることはかなりの難易度になるだろう。
「あの人混みに溶け込んでしまえば、表立って動けないマフィアは思う様に動けない」
「！流石太宰さんッ！ありがとうございますッ」
細いながらも道が開き、彼女は嬉しそうに彼に抱きついた。
太宰はそんな彼女をしっかり受け止め、頭にポンッと優しく手を置く。
「お安い御用さ。さぁ疾く行き給え、時間が無いのだろう？」
「はい！また連絡しますね」
「待っているよ」
兄よりも暗い、茜色の髪を靡かせながらAはビル街に向けて駆けた。
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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです！リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします！ (2021年10月22日 18時) (
レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします！ (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2021年2月22日 21時
