検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:15,801 hit

自由を君に。 ページ49

警察署へ、夕香ちゃんを迎えに行けば事前に話が伝わっていたようでリュックサックを背負った愛らしい夕香ちゃんが居た。

待合室で待っていれば、長い廊下の先、目が会った瞬間走り出して。

思わず、立ち上がって見守れば、腰に抱きついてくれて。


「おねえちゃん!」
「へっ…?」
「Aおねえちゃんでしょう!ゆうか、わかるよ!」

へへっと笑った夕香ちゃんに思わず、顔が綻んで。
そっか、わかるんだね、偉いね、と頭を優しく撫でればふわふわ。


手を繋げば、よくお兄ちゃんの夢を見て。そこに私が出てきてくれたことを身振り手振りで表現してくれて。

「おにいちゃんのこと、いっぱいいーーっぱい!笑わせてくれてたの、ゆうか知ってるよだから…おねえちゃんのこと、ゆうか大好き」
「…お兄ちゃん、いっぱい笑ってくれてたんだね」
「うんっ!ありがとう、Aおねえちゃん」

物凄くいい子すぎて怖い。
修也くん…貴方の妹さん、天使様ですか。

「こちらこそ、目を覚ましてくれてありがとう。いっぱい、いっぱいありがとう」

抱きしめて、ボールを蹴れば。
見慣れた我が家へ。

今のもう1回やって、と興奮する夕香ちゃんをお姉ちゃんに任せてもう一度沖縄へ。


「あ!Aちゃん!」
「うん?」

ボールを優しく蹴りあげた瞬間、お姉ちゃんに名前を呼ばれて振り返ればせーの!と合図をしたお姉ちゃんに続いて。

「行ってらっしゃい!」

お母さんとお父さん、夕香ちゃんも笑顔で手を振ってくれた。


私は、この人達の家族になれて幸せ者だ。

「行ってきますっ!」


.


「……ねえ、母さん。Aちゃんに言わなくてよかったの?ここへ連れてきてくれた男の子のこと」
「そうね。伝えたいけど…あの子の望みでもあるから…お母さんは何も言えないかな」
「察してやるんだ、男なら……大事な子を守る為に格好付けたいものだろ」

「でもそれって、本人まで伝わらないと無意味じゃない?」


あの日、あの夜。


眩い光が外を照らした時、インターホンが鳴って。
まだ成長途中がよくわかる小さな小学生が。
同じ背丈の女の子を軽々と抱きかかえて、玄関の前に佇んでいた。


「Aねーちゃんいますか」
「えっと、君は確か…お日さま園の」

お母さんが慌てて玄関まで来てくれれば、最後に会った時よりも伸びた背に傷だらけな体で、もっと傷だらけのぼろぼろになったAちゃんをそっと、ソファに横にして。


「Aを守ってくれ、頼む。えと、お願いします」

この小説の続きへ→←家族だから。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:イナズマイレブン , イナイレ , 豪炎寺修也   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/  
作成日時:2022年8月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。