炎のエースストライカーを求めて。side秋 ページ42
ひたむきに、真っ直ぐに。
まるで1年生の時の円堂くんみたいな立向居くんを見て、もう一度顔を上げた円堂くん。
屋上で風に揺られながら円堂くんはAちゃんのことを。
「なあ、秋はどう思う……Aは、本当に宇宙人だと思うか?」
きっと、疑ってないのに。それでも目に見えた事実があって
信じたくても揺らいでしまう。
「Aちゃんが宇宙人でも関係ない。だって、何度もサッカー部に勧誘して手を引っ張ったのは…円堂くんだもん。私だもの」
そこに、Aちゃんの気持ちは伴って居なかったから。
きっと、入院している間に豪炎寺くんと出会って、
豪炎寺くんを通してAちゃんはサッカーを見てくれたから。
「…Aは絶対に宇宙人なんかじゃない」
「うん!」
「それに、豪炎寺と約束したんだ。豪炎寺は、俺に…あいつを頼むって言ったんだ。もしかしたら豪炎寺は何かしってたのかもしれない」
まあ、豪炎寺の考えてる事なんてサッカーのこと以外ならなんにもわかんないけどな、といつもの笑顔。
次に会ったら、その時は。
絶対、私はAちゃんの手を。
.
沖縄で、炎のエースストライカーの噂がある事を知り、私達は沖縄へ急いだ。
炎のエースストライカーが豪炎寺くんだったら。
何から話そう。
何を話してくれるんだろう。
沖縄の地で、新しい出会いがあって。
中々見付からない憤りは確かにあったけど、絶対に炎のストライカーは豪炎寺くんだって確信してた。
だけど、吹雪くんと土門くんが見つけて来た人は全く別の人だった。
円堂くんもほんの一瞬だけ力なく笑う横顔に、胸がちくんと痛む。
でも、歓迎するという言葉に偽りはないのは皆わかるから。
南雲晴矢くんの、そのプレーはどこか既視感があって。
空へ高く飛び上がって、太陽を背にしたその姿がまるで
1度だけみた……Aちゃんみたいで。
監督が、南雲くんに近寄りどこの中学校かを問い正せば、どこからともなく声がしてヒロトくんがそこに居た。
咄嗟に、南雲くんを庇いたった円堂くんの後ろからその人は飛び跳ねて、黒いサッカーボールを受け止めれば…
「エイリア学園の…ユニフォーム…!」
2人のエイリア学園の人が淡々と話すのを呆然と聞いていれば
空から…もう1つサッカーボールが優しく…降りてきた。
「まさか…」
「なんでここに居るってわかったんだよ」
淡い、優しい光の中からAちゃんが出てきた。
桜をあしらった肌着に身を包まれて。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時:2022年8月14日 14時