束の間の喜び。* ページ1
夕香ちゃんの検査が始まって、ほっと一安心していた修也くんの肩を揺すり、おずおずと秋からのメールを見せる。
「なっ…、」
「私、先に傘美野中に行ってくるね」
鞄を抱えた私を修也くんが引き止めた。
「先に行ってどうするんだ、まさか…」
優しく笑って、手を解こうとすれば修也くんは一緒に行く。と
またすぐに来る、と夕香ちゃんへ声をかけるその瞳は優しいお兄ちゃんの目で。
「行くぞ」
「…うん」
あんなに晴れていた空はいつの間にか、分厚い雲が空を覆っていた。
宇宙人…？でもなんで、サッカーなんだろう。
傘見野中学へ着けば、世宇子との試合の後なのに皆またボロボロになってた。
ちょうど、宍戸くんが円堂くんの前で倒れ込むのが見えた。
「選手交代だ！」
「豪炎寺！それにAも」
皆が修也くんを見て喜んでは、目金くんも駆け寄ってきてくれる。
「宍戸、立てるか」
宍戸くんに手を差し出せば、何とか立ち上がる宍戸くん。
駆け寄ってきてくれた目金くんと一緒に宍戸くんの肩を支えてベンチへ戻っては、
「よおし！皆反撃だ！」
皆の表情が変わって、ホイッスルと共に笑顔に。
「イナズマブレイクだ」
円堂くんと修也くんと鬼道さんがイナズマブレイクを放って。
キーパーの人はイナズマブレイクを見ることなく、片手で欠伸をしながら止めた。
「そんな……」
一瞬のこと。
影野くんがボール事ゴールへ投げ飛ばされて、倒れ込んだ。
「響木さん！」
響木さんの目の前立ち、勢いよく頭を下げた。
「私を、私をフィールドに立たせてください！お願いします」
「……Aちゃん、」
こんなの見てられない。こんなの、サッカーじゃない。
私の好きな、好きになったサッカーじゃない。
「後悔しないか」
「…へ？」
「今、フィールドの上では手も足も出ない、円堂も、豪炎寺もだ。お前が出てこの試合の流れは変わるのか？」
響木さんの言葉に、何も言い返せない。
だけど、このまま無力のままベンチには居たくない。
「それでも、皆と一緒に戦いたい！」
「…わかった、選手交代だ」
ユニフォームをもらい、ジャージを秋に預ければ、心配そうな秋に笑顔を返す。
「大丈夫だよ」
影野くんの向かに行けば、円堂くんが目をまんまるくさせて、危ないから引っ込んでろ！と怒鳴ってきた。
「危ないのは皆も同じじゃん！」
怒鳴り返せば、円堂くんはでも、と唇を噛み締めて。
豪炎寺！と修也くんに何とか止めさせようとするけど、修也くんは……。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
