自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ26)

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武方三兄弟。ページ26

いつものように皆が練習してる間、教室で課題を黙々と埋めていく。
だいぶ進んだと思うんだけど、残り3分の1…せめて木戸川清修との試合までには終わらせたいのに…。

「Aさん！大変です！今、宍戸くんが…」
「…へ？」

窓を開けて大きな声で叫んできたのは音無さん。
宍戸くんが、キャプテン達が決闘を始める問答をしていたことを大急ぎで伝えに来てくれたらしい。

「先に風丸さん達が向かってます！豪炎寺さんもいるので、Aさんも！」
「ありがとう、音無さん」

慌てて鞄をまとめて、大慌てで河川敷へ向かった。
全然、追いつかないんですが…。今、風丸くん達はどの辺まで迎えているんだろう、決闘って…サッカーじゃなくて？喧嘩なの？

河川敷へ着くと、変な3人組の男の子が必殺技を使って円堂くんからゴールを奪っていた……。
階段の先に修也くんと鬼道さんを見付けて、かけ下りる。

「修也くん！！」
「A？お前まで…」
「決闘って何？怪我してない？大丈夫？」

思わず服を掴んでどこも怪我をしていないか確認すれば、あの人たちが原因だろうと、キッと睨み付ける。

「A、そう睨まないでくれ」
「だって！どうせあの人達が一方的に言いがかりでも付けてきたんでしょ
」

修也くんも、円堂くんも、たぶん鬼道さんも誰かに喧嘩を売るような人じゃないから。
しっかりと、修也くんの鞄を掴んで精一杯変な3人へ威嚇する。

「何やってるんだ！お前たち！」
「ひゃっ」

土手の方から声がして見上げれば、男の人とまた別の木戸川清修の人が。3人組がその人のことを監督と呼んだため、すぐに監督である事はわかった。

「サッカー選手なら試合で、正々堂々戦え！」
「分かりました…」
「君もそれでいいな？」
「はい、すみませんでした…」

監督には聞き分けがいい3人組、素直に謝罪ができる円堂くん。
うむうむ、そう思っていると修也くんの鞄を掴んでいた腕が、くんっと引っ張られ思わずよろける。

そんなことも気にしないで軽く支えられ、修也くんが木戸川清修の監督さんへ向かって大きな声で挨拶をした。

「二階堂監督」
「久しぶりだな、豪炎寺。FFでの活躍は見ている。元気にサッカーを続けてるようでよかったよ。頑張れよ」
「ありがとうございます」

二階堂監督と呼ばれたその人は、修也くんとの会話が終わるとちらりと私を見て優しく微笑んでいく。
いい監督なのかな…？

「西垣…？西垣……！！」
「一之瀬…？一之瀬か…？？」

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