二百九訓 かぶき町四天王篇 ページ2
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かぶき町。
江戸で最も治安の悪い街として知られるそこはある四大勢力によって均衡が保たれていた。
″鬼神マドマーゼル西郷″
″大侠客の泥水次郎長″
″孔雀姫華陀″
″女帝お登勢″
この四大勢力により今のかぶき町は治められている。
しかしその均衡状態も崩れつつあり……
と、小耳に挟んだことがある。
そんなかぶき町に住むうちは今日も今日とて夜のかぶき町を飲み歩いていた。
「あんたホント飲むねぇ」
『まだ一升瓶二本ですよ』
「その強さをあの天パに分けて欲しいもんだよ」
飲み歩くといっても来るのは大体万事屋の下に店を構えるスナックお登勢。他の店にも行くのだがどうにもここは居心地が良くつい入り浸ってしまう。
『お登勢さんはいつからこの街に?』
ふとお登勢さんのことにあまり知らないことに気づき、そう尋ねてみた。
「赤ん坊の頃からさ。私はずーっとこの街の住人さ」
『ふぅん、じゃあ好きな人とかいたんですか?』
「そりゃうちの旦那だよ」
『お熱いですねー』
ニヤニヤと笑みを浮かべると「大人をからかうもんじゃないよ」と一蹴される。
「あんたはそういう人見つけたらちゃんと大事にするんだよ。後悔する前にね」
『…お登勢さんは後悔したんですか?』
「この歳さ、そりゃもう後悔しきれないくらいにね」
『じゃあそうならないようにしないとですね』
「ああ。なんならあの天パなんてどうだい?あんたが貰ってくれたら家賃も払ってくれるだろ」
『しんでも嫌です』
この時はまだ何も考えていなかった。
まさかかぶき町があんな事態になるとは…
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睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» ここまで読んでくださったのに本当に申し訳ないです、、良かったらpixivで1話から上げ直しているので続きを待ってもらえると嬉しいです!ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!! (2023年2月28日 21時) (レス) id: cbef1df3cb (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんにちは。ここで続きが読みたかったです。残念ですが仕方ないですね。とても楽しく読まさせていただきました。ありがとうございましたm(__)m (2023年2月24日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠足りない布団好き女子 | 作成日時:2022年11月23日 22時