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銀時「意味ならあるだろ、
4人で勝って4人で帰るんだよ
それだけで意味なんざ十分だ
お前、ここに来たのは
本当に別れの挨拶するだけか?」
そう、続けた銀時にAは思わず目をそらす
本当は、別れの挨拶だけじゃなかった
江戸に向かう道中
足を進めれば進めるほど膨らむ思いがあった
会いたかった、会いたくてたまらなかった
みんなの顔が見たくてしょうがなかった
それでも会わずに行こうと思ったのは
A自身が怖かったから
みんなを見たら気持ちが揺れそうな気がしたから
甘えそうな気がしたから
そんな気持ちを全て知ったかのような銀時のその目を
見つめ返すことができなかった
A「…、、、」
なにも言えないAの肩に銀時は手を置いて言う
銀時「心配すんな、
俺たちは俺たちのために戦うだけだ
お前とは全く関係ねえ、、、
2人も怪我させてんだからな、
やられたらやり返さねぇと…
だからお前はお前のために戦え
お前の守りたいもののために戦え」
神楽「そうアル、あの時の仕返しネ!!
A、ついてくんなヨ!!」
そう先を進む神楽をAは見つめる
心のどこかで歯車がカチリと動き始めたのを感じた
A「私の……、守りたい、ものは、、
家族と、、おじいちゃんと…、
みんな、、、、、」
銀時「ああ、、、、」
銀時がそう優しく笑うから
触れている肩が温かいから
Aはつい、そんなことをぽろっと洩らす
銀時「いいか、A、
一度決めたことは絶対守り抜け
守り抜くためには、絶対諦めるんじゃねえ」
その言葉にAは顔を上げる
A「何があっても諦めない
みんなを死なせたくないから」
だから、来ないで
そう続けようとしたAを遮るように
銀時は強く言う
銀時「死ぬわけねえだろ、誰も死なねえ」
迷いのないその言葉は自信に満ち溢れていた
A「なんで、、、そんな自信」
銀時「あぁ?
お前が俺ら3人の背中守るからだよ、
お前の背中は、俺らが守るからだよ、
背中預けられるやつが3人もいるんだ
俺らも、お前も死ぬわけねえだろ」
そんな表情は、不意に宮本真蔵と重なって
Aは懐かしさを覚える
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時