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「その汚い目をこっちに向けないで!」





(ぱちん







そう言って叩かれる日も少なくなかった






家族が殺されたあの日






走って逃げても行くところがなかった私に






手を差し伸べてくれたのは、

 




宮本家の1代目当主、宮本真蔵だった






宮本「おい、お前、こんなとこでなにしてんだ」







そう言ってうずくまるAに声をかけた






服も顔も血で汚れたAを





まっすぐな目で見つめていた






宮本「行くとこねえんならうち来るか」






差し出した手に







Aは、なんて返せばいいのか、







どんな顔で見ればいいのか







分からなくて、ただ黙って見つめた







宮本「よし、決まりだな、こい」






そう笑った顔をよく覚えてる






今でもはっきり覚えてる






半ば強引に連れてこられた場所は山城だった






血まみれのAを受け入れる人は少なかった







みんな汚いものを見るような目だった








それはお風呂に入っても、新しい服を着ても








どれだけ綺麗にしても変わることはなかった






Aは気づく







汚いのは血ではなく私の存在自体だと







中村絹江もその1人だった







しつけ役だった中村は、Aを見るなり







露骨に嫌な顔をした






しつけというよりは暴力だった






教育というよりは、雑用だった







それでも、依央利と宮本がいたから







2人が笑いかけてくれるから






Aはやってこれた







どれだけ辛くても無くしたくない場所だった







3人でいる時間がAは大好きだった







宮本「ここはお前の家じゃない




好きな時に好きな場所へ出て行けよ」







宮本は、Aが執拗な嫌がらせを受けていると






知っていた






連れてきて申し訳ない気持ちだった






A「行くとこないから、ここがいい」






Aは、宮本が自分を想って言ってくれてると






知っていたからそう言った







Aにとってこの場所は大切な場所だったから、








幸せな場所だったから出て行くことはしなかった








Aは、宮本からたくさんのことを教わった






勉強とか剣術とかそんなものじゃなくて






もっと大事なものをたくさん教わった









13で拾われたAは気づけば18になっていた









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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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