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恋路 ページ34

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不思議な人に会ったな






道中でそんなことを思う






夕方、早めに切り上げてきた定食屋のバイト





その足で向かうのは万事屋…ではない






愚痴り屋、







屋台の飲み屋、そのアルバイトに向かう









柱に貼られたバイト募集の張り紙を見たことが







きっかけだった






あのちゃらんぽらんのとこにいては





いつまで経ってもお金は貯まらないと






そう思ってなるべく沢山のバイトをする






A「こんばんは、




よろしくお願いします!」





「おお!嬢ちゃん!待ってたよ




ささ、エプロンつけて!手伝ってくれ」






陽気なおじさんは







すでに来ているお客さんの相手をしていた






「おっさん、このお嬢ちゃん誰?」





そのすでに来ていたお客さんは





Aを見るなり興味深そうに聞く






「最近入った嬢ちゃんでな




これがまたできるやつなんだ




Aって言うんだけど仲良くしてやってくれ」





褒められたAはエプロンをつけながら





嬉しくなってお客さんに向かって礼をする





近藤「近藤ですどうも」





A「はじめまして、松浦Aです」





愚痴り屋にはいくつかルールがある






知り合いに合っても知らないフリをするとか




ここでの話は他言しないとか





まあ、そのルールを決めたおじさんが





すぐ喋っちゃう人なんだけど…







近藤「ったくよぉ、、、





おやじぃ、、、やってらんねえぜ、、、」








お酒が入って出来上がった近藤さんは






涙ぐみながら愚痴り始める





「この人はな、




なんでも想い人がいるらしくてな




それがまた手強い女らしいんだ」





おじさんはこそっと




Aに教える





近藤「毎日、危険がねえように見回ってんだ」






A「好きな人のために



そんなことできるのすごいですね」




お酒を出しながら




Aは近藤の話を聞く






近藤「いやぁ、はは





でも、全然振り向いてくれない」







そう言うとまた涙ぐむ近藤に






おじさんとAはやれやれと首を振る






そのうちお客が1人2人と増えて






気づけばおじさんは他のお客さんの






Aは近藤の話し相手になっていた









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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時

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