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Aが次に目が覚めたのは夕方だった
ここ数日、まともに寝ていないから無理もない
A「あれ、声が聞こえないな、、、」
シーンと静まり返った家を少しだけ怖く思う
襖を開けるとそこにはだれもいなくて
メモ書きだけが残されていた
「仕事に行ってきます
帰るまで待っててね♡ 銀時」
律儀にハートまでつけてあるその手紙を
Aは容赦なく捨てる
さっきよりも楽になった体
よく動くようになった頭で
銀さん、銀時、、、あの人たちのことを思い出す
3人は、家族…なのか?
そんな感じはしなかった
兄弟、、、もっと違うだろう
じゃあ、、、
そこまで考えてAは、思考を停止させた
頭を使ってしまうのは静かだからだ
誰にでもなく言い訳をしてテレビをつける
「本日、6月15日は、、、」
アナウンサーの言葉にAは過敏に反応する
A「6月、、15日、、」
なぞるように発したその言葉は
紛れもなく自分の誕生日を示していた
6年前まではこの日がうれしかった、大好きだった
誕生日が憂鬱になったのは
その年からだった
だめだ
Aは呟く
テレビをつけても考えてしまう
何かに夢中になりたくて
全てを忘れたくて
Aは立ち上がる
そのままの足でテレビを消して
台所に向かう
人ん家を漁るのはどうかと思ったが
せめてものお礼だと
Aは自分に言い訳をする
仕事、とやらに行ってるんだ
疲れて帰ってくるはずだ
長年染み付いた
世話焼き癖は、そう簡単に抜けない
銀時「ただいま」
神楽「ただいまあ」
新八「ただいま、帰りました」
同時に聞こえた3人の声に
少しだけ心が弾む
A 「おかえりなさい」
Aの声に
起きたのか、なんて3人は思う
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時