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パイモンは柊朔の事を話す。



「ふむ。どこかで見たことがあると思ったがあの時の……。薬に関しては分かった。しかし、店に戻らないといけないが大丈夫か?」

「はい。大丈夫です。ありがとうございます。」

「これで柊朔の心配は無くなったな!」

「せっかくなら君達も食べていきなよ。俺が奢るから。」

「本当か?!」



タルタリヤは笑顔で三人を食事に誘う。
それにパイモンは食いつき、旅人も仕方なく付き合うことに。

柊朔はと言うと……。



「あまり重たいものは駄目なので、軽いものをお願いします。」

「かしこまりました。」



勿論言葉に甘えていたが、病弱だからか食には気にしているようだった。

少し会話を挟みつつ、五人は食事をした。



「ふぅ〜。いっぱい食べた!」

「満足してもらえたようで良かったよ。」

「それでは往生堂へ向かうか。」

「はい。」



柊朔は椅子から立ち上がった。
しかし、足に力が入らず倒れそうになる。

そこをすかさず旅人が支えた。



(かなり衰えてるな……。死期が近いかな……。)

「往生堂までおぶるよ。」

「ありがとう。」



彼女は自分の体がいつまで保つか、なんとなく察していた。



「俺は先に行って薬の準備をしとく。ゆっくり来てもらって構わない。」



鍾離はそう言って、先に新月軒を出ていった。



「じゃあまたね、旅人。」

「……。」

(冷たいなー……。)



会計をタルタリヤに任せ、店を出た三人。
少し歩いた後、往生堂の扉を開け店に入った。



「早かったな。」

「すぐ近くだぞ?」

「ははっ、そうだな。薬の準備は出来てる。水を持ってくるから待っててくれ。」



旅人の背中から降ろしてもらう柊朔。
彼女は、スッとハンカチを出した。

そして、咳き込む。

二人が慌て始めた。



「大丈夫か?!」

「だ、大丈夫です……。」

「辛そうだね……。」



旅人は彼女の隣に座り、背中を摩る。

咳が聞こえたのか、少し慌ててやってきた鍾離。
彼女の前に水を置き、薬を差し出した。

彼女は少し水を含んだ後、薬を飲んだ。



「すぐに効果は出ないが、しばらくは楽になれると思う。一ヶ月分を渡すから一ヶ月経ったらまた往生堂を訪ねて来てくれ。」

「ありがとうございます。そういえばこの薬の値段は…?」

「ん?あぁ、売り物では無いからな。気にするな。」



彼女は少し申し訳無さそうな顔をしたが、言葉に甘えることにした。

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作者名:ふく | 作成日時:2022年8月10日 23時

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