第五幕 ページ6
結局奴良組へ行くことになった私。
化け猫兄弟の氷鬼と氷藍は殺気むき出しにして三代目を睨んでいる。
理由が私に手を出したかららしいが、そんな事で睨まなくても良いだろ…。
「氷鬼、氷藍…いい加減にしろ」
「A様…」
「A様がそう言うのであれば」
２人からの殺気も消え、奴良組へ足を進める。
そういえば、三代目の名前を聞いていないな…自分から他人の名を聞くのは初めてだ。
「…私も名を名乗ったのだ。貴様も名乗れ」
「あぁ、そうだな。奴良リクオだ」
奴良組三代目、奴良リクオ…ね。
まぁいいや…。
私はそっと目を閉じて人間の姿に化ける。
これで『俺』は人間の中学生程の見た目になっているだろう。
「お前…化けれたのか？人間に」
「…こんなモン普通だろ。人間の多い所に行くのならこの姿の方が良いだろ。俺はあまり目立つのが嫌いなんだよ」
溜め息混じりに呟き、歩き出すが…自分の姿が幼くなり、着物がぶかぶかになっていたのを忘れて歩いたため、
「きゃうっ！」
「え”っ」
「A様！？」
自分の着物の裾を踏みつけて盛大に転んでしまった。
氷藍に起こされて、自分の失態を恥じながら服もパーカーにジーパンという格好にした。
にしても…
「…チッ…」
「ぶっ、あっはははははは！」
隣で爆笑しているコイツを今すぐこの氷刀で切り刻んでやりたい。
にしても、何でそんなに明るく笑えるんだ。
俺は…そんな笑い方も忘れてしまったってのに…。
「………」
「…A、どうした？」
「別に」
そう言って先を歩こうとした瞬間、ふわりと地面から足が浮いた。
顔を上げると三代目の顔が近くにあった。
「なにをする…三代目」
「おいおい、折角名前教えてやったんだから名前で呼べよ」
「…チッ…」
本当に俺はコイツが苦手だ。
初めて会ったときからなんか嫌だった…俺にベタベタ触りやがって。
他人に…氷鬼、氷藍以外の奴に触れられることが嫌いだってのに…お構いなしに触ってきやがって…変態かコイツっ。
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小豆 - キュンキュンしながら読ませていただきました！本当に大好きな作品なので、続編がとっても気になります！夜リクオ様のSっ気がある所に惹かれました((´艸｀*))これからも更新頑張ってください！ (2017年4月14日 18時) (
レス) id: 8e0dfb2a1b (このIDを非表示/違反報告)
ウラト - 頑張ってください！夜リクオ君がかっこいい！更新ファイトです！ (2016年5月2日 23時) (レス) id: 9d9d1106e6 (このIDを非表示/違反報告)
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