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第三幕 ページ4

おじいちゃんの話に出た黒い狐。

羽衣狐とは違い、良い妖怪らしいんだけど、森の奥深くに隠れて住んでいるらしい。

だからその姿を見た人は居ないらしいけど、おじいちゃんは一度だけ見たと言っていた。

黒髪に栄える金色の瞳に中性的な顔立ち。黒い着物を着ていて、普段は隠しているけれど、おじいちゃんが見たのは、

黒い尻尾と耳が現れていたとき。

見ればすぐに分かると言われて夜にその森へ行ったのは良いけれど、

思いっきり僕のことを警戒していた。

両親を幼い頃に殺され、愛情と温もりを忘れて…他人と関わることと苦しむことを恐れて自分以外を信じなくなった。

それも本当だった。

「…今夜、もう一度行ってみよう」

なんとかあの子を、救い出したかった。

「リクオ様?どうかなさいました?」

「え?あっ、なんでもないよ。つらら」

つららに問われ、なんとかはぐらかして今夜は上手くいくか不安になりながら時間が過ぎ去るのを待った。



そして、夜。

夜の姿になった俺はまたアイツがいる森へ足を踏み入れた。

「……また来たのか、三代目」

冷たい金色の瞳が俺を捉える。

その目を見る度に胸が締め付けられるのは、俺がコイツに惚れたからだろうか。

守りたいと、助けたいと思ったのもそのせいだろうな。

「昨夜、お前を気に入ったからな。どうしても奴良組に入れたいんだよ」

「ハッ、私を気に入った?そんな理由でか?」

「単刀直入に言えば惚れたから、だな」

そう言ってアイツを見ると、夜だからか良く顔は見えないが…月明かりで少し見えた顔は、

ほんのり赤く染まっていた。

なんだ、そんな顔も出来るんじゃねぇか…そう思っていたが、アイツは勢い良く首を振り、すぐに頬の赤みが消えて無表情になる。

「ふざけたことを…本気で斬るぞ」

刀を鞘から抜き、刃を俺に向ける。

「言っとくけどな、俺は本気だぜ?」

「…他人の言葉など、信じられるものか」

アイツはそう言うと、一瞬にして俺の首に刃を当てた。

横目で見た表情は、とても冷たいものだった。

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小豆 - キュンキュンしながら読ませていただきました!本当に大好きな作品なので、続編がとっても気になります!夜リクオ様のSっ気がある所に惹かれました((´艸`*))これからも更新頑張ってください! (2017年4月14日 18時) (レス) id: 8e0dfb2a1b (このIDを非表示/違反報告)
ウラト - 頑張ってください!夜リクオ君がかっこいい!更新ファイトです! (2016年5月2日 23時) (レス) id: 9d9d1106e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月 泰斗 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年9月22日 22時

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