第十一幕 ページ12
枝垂れ桜の下でリクオ様が連れてきたA様が護衛であろう化け猫と手合わせをしているのを見かけた。
毎日続けていたのか、互いの攻撃を全て見切り…素早く攻撃を仕掛ける。
手合わせというよりも、本気の戦いのように見えた。
「…凄い」
その言葉しか出て来ない。
リクオ様が言うには、黒い狐の妖怪で…ずっと森の奥深くに隠れて住んでいたという。
総大将の話では、幼い頃に親を亡くしてから心を閉ざし、護衛であるあの２人以外誰にも心を開かない。
話しかけてみたが、確かに全く目を合わせようとしてくれなかった。
「首無？どうかしたのかい？」
「毛倡妓か。…A様のことだ、なかなか心を開こうとしない」
「やっぱりかい。あんなに小さな体に重いもの全部背負ってるんだよねぇ…あたし等に何かしてやれることは無いものかね」
れっきとした妖怪でも、13歳というのは成人したばかり。
それに、人間で言えばまだまだ子供。
それなのに、A様は部屋に籠もって護衛であるあの２人と話しているか枝垂れ桜の下で手合わせしているかの２択。
全く頼ろうとする気配はない。
これからどんな壁にぶつかっても１人で生きていく…そんな覚悟をした目をしていた。
「全く…問題児が増えたねぇ」
毛倡妓が呟いたその時、どこからともなく小刀が毛倡妓の真横の柱に勢い良く突き刺さる。
「誰だい！？」
「…A様のことをなにも知らないくせにA様を悪く言うんじゃねぇよ」
小刀が飛んできた方向を見ると、物凄い殺気を放ち、私達を睨む…確か、氷鬼がいた。
A様の隣に居たときとは大違いだ。
物凄い殺気と威圧感…思わず畏れてしまうほどだ。
「……これぐらいで畏れるのか。奴良組も大したことねぇな」
「なんだとっ…」
その言葉に思わず苛立つ。
その時、静かにこちらに歩み寄るA様がいた。
「…急にいなくなったと思えば…くだらないことをするな。行くぞ氷鬼」
「……申し訳ございません。A様」
A様と氷鬼は私達を横目で見た後、なにもなかったかのように部屋へと戻っていった。
何だか、心配で仕方ない。
このままだといつかA様が壊れてしまうのではないかと…。
「さっきから思ってたんだけどさぁ…」
「ん？」
「首無、あの子に惚れてるだろ」
───！！？？
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小豆 - キュンキュンしながら読ませていただきました！本当に大好きな作品なので、続編がとっても気になります！夜リクオ様のSっ気がある所に惹かれました((´艸｀*))これからも更新頑張ってください！ (2017年4月14日 18時) (
レス) id: 8e0dfb2a1b (このIDを非表示/違反報告)
ウラト - 頑張ってください！夜リクオ君がかっこいい！更新ファイトです！ (2016年5月2日 23時) (レス) id: 9d9d1106e6 (このIDを非表示/違反報告)
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