エリオスの亡霊 (ページ14)

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仲のいい二人ページ14

ジュニアsaid
「クソDJ、最近出かけなくなったな」
「そう？」
「おう、なんか朝起きてもいることが多くなってる」
「…一応出掛けてはいるけど、確かに朝帰りはなくなったかも」
おチビちゃんったら俺のことよくみてるね、なんてその後揶揄われた。けど、俺はわかってる、あいつが早く帰ってくるようになったのは…

「ちょっと、Aちゃん、あんまり撫でないでくれる？」
「これはディノの意思だよー、ねー、ディノ」
「そうだぞー」
この二人の影響だ、隙あらば俺達を構い倒して、この間はアキラ達も餌食になってた。というか年下の奴らだけでなくジェイにまでやってたとかいう話もある…

「やめてってば、子供扱いならもっと適任がいるでしょ？」
「じゃあ一緒におねーさん達がぎゅーってしてあげるからおいでー」
姉ちゃん達がそう言って手を広げる、引き込まれるような感覚…
「ふふー、ぎゅー」
「うんうん、ラブ＆ピース！」
俺もクソDJもその手に捕まりにいってしまった。キースの時なら抗えるのに…

キースに呼ばれた二人は部屋から出て行った。多分酒を飲みに行くんだろうな。
「…はぁ、なんかAちゃん、ディノが帰ってきててからパワーアップしてない？」
「そうか？昔の姉ちゃんもあんな感じだったぞ」
明るくて、誰に対しても優しくて、俺達をよく抱き締めてくれた。

「自分を取り戻してるのか、それとも、はしゃいでるのか、よっぽどディノに会えてうれしいんだね」
「いいことじゃねーか」
何故か溜息をついたクソDJに首を傾げた。
姉ちゃんは過去で死んじゃったのかもしれない、けど、俺達の横で今笑っている、昔の、透明じゃなかった時のように。
楽しそうに俺のことをレオって、クソDJのことをフェイ君って楽しそうに呼ぶ。

「あ、電話だ、どうしたの？ディノ、ってAちゃん」
クソDJの携帯から姉ちゃんの声が聞こえる。
『キース君、なんだか二人とも話したくなったみたい、まぁ酔ってるんだけど…ディノとなんとか連れて帰るから映画でも見よっか』
「うん、わかった、用意しとく」
困っているようで楽しそうな声、生き生きとしてる。それはクソDJもおなじ。

あれ、そういえば、なんでディノだけあだ名でもなく呼び捨てで、ディノって呼ばれてるんだ？