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【3.I wish I was with you.】
レオナは目を覚ました。朦朧とした意識の中、女の温もりを探した。布団にはレオナ自身の体温しか感じられなかった。レオナは少しだけ落胆した。のそのそとベッドから這い出てバルコニーに出た。
前まで毎晩やって来ていた女は、ここ最近はあまり来なくなっていた。曰く、魔女集会とやらがあるらしい。レオナは分かっていたつもりだったのに、やるせない気持ちになった。それにレオナにとっては長い時間でも、彼女にとっては過ぎゆく時のほんの一瞬にしか過ぎないのだ。そして自分の存在も、彼女にしてとれば数多ある星のうちの一つに過ぎない。
(やっぱりオレは一番にはなれやしない)
今向こうで燃えてる星たちが恨めしいとレオナは思う。
(なにが道導だよ)
どれだけ魔法が使えようが、どれほど勉強ができようがーーどれだけ星について知ろうが無駄だ。レオナは自分でも悲観的だと思った。それでも、彼女だけはどうにも手放したく無かった。否、手を伸ばさずにはいられなかった。焦がれて死にそうになっても、その暖かさに別れを告げたくはなかった。
(でも、そんな事言えるわけねぇか)
彼女は優しかった。博愛主義者であった。皆平等に愛し、施しを与えた。彼女を縛りつけるようなことはきっと彼女の美学に反する事だ。
I wish I was with you .
それは多分、叶わぬ夢だ。未来永劫あの温もりに触れていたい。
「……集会は、もう終わったのか？」
「あら、気付いていたの？」
裾を摘んで、彼女はバルコニーに降りた。
「昨日、魘されていたわ。大丈夫なの？」
女は小首を傾げてレオナに尋ねた。レオナはどうしようもない気分になって、女に抱きついた。
「うふふ、今日は寂しいのね」
その声に、レオナは太陽に灼かれた心地がした。女もうレオナの体に手を回し、レオナの頭を撫でた。元気を出して、可愛い子。そんな声が聞こえた時にはもう駄目だった。堰を切ったように涙が止めどなく溢れてきた。
息が詰まりそうなくらいに苦しくて、痛くて。でもじんわり暖かいこれはなんなのだろうとレオナはぼんやりと思う。覆せない残酷な決定を誰か翻してはくれないだろうか。
(私、あなたの為なら月だってあげられるのよ)
女にとって一人にここまで入れ込むのはじめてだった。友人にいつか、本当の愛をあなたは知らないと言われたことを思い出す。でも本当に、レオナのためなら月をあげることなぞ吝かでないのだ。
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華陽(プロフ) - ハクグンさん» はじめまして、コメント本当にありがとうございます。自分の中での解釈違いと日々格闘しながら書いてきた話にコメント頂いて本当に嬉しいです。今後ともぜひご贔屓お願いします。ハクグン様のご期待に添えますよう日々精進いたします！ (2020年9月23日 15時) (
レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - あと作者さんほんと感謝しかないありがとうございます絶対に無理しない程度に更新頑張ってください楽しみにしてます (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - うわもうレオナさん好きすぎるほんと好き愛してる。星空の魔女様、どうか、どうか、レオナさんに気付かせてあげて。貴女の一番は彼でしょう？寂しがってる、勘違いしてる。だから、気付かせて。貴女は彼を愛している。 (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
定期テスト攻略ワーク。 - 六条さん» コメントありがとうございます！そんな感想を頂けて幸いです。先行きの見えない連載ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
六条(プロフ) - コメント失礼いたします！温和で優しくどこかロマンチストさも持ち合わせた星空の魔女様と、そんな彼女に対して心を開いている様子のレオナくん。これから二人がどんな物語を紡いでいくのか、目が離せません！素敵なお話をありがとうございます(´；ヮ；｀) (2020年9月8日 21時) (レス) id: fcb5bad142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華陽 | 作成日時：2020年9月6日 11時
