深く、そして深く沈め。 ページ39
＊
「おわっ！かなたくん、」
今日も疲れた、
早くこんな面倒くさい学校を出て、遊びまくろうと1人考えながら歩いていたらゴツンと冷たいものにぶつかった。
何者かと思えば、同じ部活(ほぼ出てないけど)の部員であり同時に部長である深海奏汰だ。
彼は違うクラスの人間(しかも男)ながらも、なんだかんだ言って嫌いではない。
奏汰くんは何かどこかミステリアスで、最初に話した時は直感的に"関わらない方がいいかもしれない"と思ったが話してみると結構『楽』だ。
「かおる〜♪」
「奏汰くん、何でそんなところにいるの？」
"いつもは噴水にいるのに"俺がそう言葉を後付けすると、奏汰くんはぷぅ、と頬を膨らませる。
彼のスカイブルーの綺麗な髪が窓から吹き付けた風に揺れるのが見えた。
「ぼくが『いちにちじゅう』ふんすいにいるとでもおもってるんですか？」
「じゃあ、今はなんで廊下で寝そべってたのさ」
"そうですね〜♪"
彼はそう言うとゆっくりと立ち上がり、窓の外を見た。
その視線の先にはAちゃんがいる。
誰かの元へとでも行くのだろうか、少しだけ早足だ。
「きぶんです」
「気分？」
本当にマイペースな人間だ、彼は。
奏汰くんのそういうところが話していて『楽』だと感じる１つの理由でもある。
無理して笑わず、無理して話を盛り上げず…彼と話していると自分に素直になれる気がするのだ。
本当に、マイペースで不思議な男だ。
"でも…"
「Aとぼくはほんとうは『かかわってはいけない』ですから。」
ふふふ、と優しく笑う彼の背中は酷く小さく見えた。
そうか今、Aちゃんは学院の魔女について調べているのか。
彼女が魔女の正体が誰なのか気づいてしまったら…
…もう奏汰くんとは今まで通りには話せなくなるのだろう。
奏汰くんはそれを恐れているのだ。
Aちゃんに魔女の正体を知られることを怖がっているのだ。
ああ、なんだ。
"『大海に浮かぶ神秘の魔法』"
…なんて言われて崇められて、尊敬されてきた彼も大切な人を失うことを恐れる心は確実に持っている。
彼のその想いが、俺には酷く苦しく感じられた。
なにか、奏汰くんに俺は出来ることがあるのだろうか。
「ねぇ、奏汰くん。」
俺がいっつも部活に来ないの怒ってるでしょう？
だから、これは俺からのいつものお詫び。
俺が、奏汰くんにしてあげられること。
それは、。
_____Aちゃんの魔女探し…俺達で邪魔しちゃおっか？
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 419人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です！更新頑張ってください！応援しています！あ、Twitterフォロー失礼します！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます！試聴最高でしたよね！！私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜！同感です＊＊お話出来てとても嬉しいです！！＊＊ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜！2winkPさん！！私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです＊＊夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました！お話出来てとても楽しかったです！！ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽんずあめ | 作成日時：2017年2月19日 22時
