空白の嘘偽。 ページ37
*
「真緒、話があるから、時間、ある?」
私はそう言ってから、真緒が持っている重そうなノートの山からノートを半分取って抱えた。
こんな所で立ち話をするとなった時にこんな重そうなノートを1人で抱えたままでは、話をしようとも出来ない。
真緒は小さく"あっ、ありがとうございます"と言うと嬉しそうにはにかむ。
「先輩、話って何のことですか?」
「…真緒についてだよ、」
真緒は話の話題が自分自身についてだと分かると、今までの笑顔がスッと消えて真剣な顔になった。
もうすぐ、休み時間が終わる。
「あっA先輩、魔女についての資料何ですけど___」
彼はそう言ってガサゴソと制服のポケットを漁ると、中から綺麗に折りたたまれた紙が1枚出てきた。
"どうぞ"と言われてからその紙を受け取って中を開いてみると、そこにはズラッと色々な人の名前が書いてあった。
この前も、真緒からこんな紙を渡された覚えがある。
忍から貰った情報だと言って、こんな形のメモを渡された。
学院の魔女はアイドル科の唯一の女生徒だったのだから、関わりのある人物の中にアイドル科の生徒の名前が書いてあったとしても全然不思議じゃない。
けれど、その時に貰ったメモには、魔女に関わりのある人物の中にアイドル科の生徒の名前は無かった。
今回貰ったメモにも、そうだ。
何故か関わりのある人物の中にアイドル科の生徒の名前が無い。
……やはり、何かが、可笑しい。
「真緒、このメモは忍からの情報?」
「あっ、はい、そうです」
忍、仙石忍。
今度、忍に話を聞いてみよう。
……これは、忍がただ単に情報を間違えただけなのか。
…それとも、真緒が誰かから託された"ウソ"の情報なのか。
私は最後に、真緒に一つだけ確認したいことがあった。
もちろん、真緒が私が何を言ったって何もかも正直に話してくれるとは限らないけれど。
でも、言うだけなら、それだけでも何かが変わるのかもしれない。
私を真っ直ぐに見つめる真緒に視線を向けて、大きく息を吸って口を開いた。
"「真緒は、裏切り者なんかじゃ無いよね?」"
真緒、信じてるから。
貴方がもし、零の言う通りに『裏切り者』だったとしても。
絶対に、信じてるから。
だから、今は正直に言おう。
今私ができる限りの、精一杯の笑顔で。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です!更新頑張ってください!応援しています!あ、Twitterフォロー失礼します! (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます!試聴最高でしたよね!!私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜!同感です**お話出来てとても嬉しいです!!** (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜!2winkPさん!!私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです**夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました!お話出来てとても楽しかったです!! (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんずあめ | 作成日時:2017年2月19日 22時