魔女の正体のヒント4*3 ページ24
*
「A!」
あきやんに授業に遅れたことを案の定怒られた後、廊下をトボトボと歩いていた私に声が掛けられた。
一体誰なのかと思いくるりと顔を向けると、そこには鬱陶しそうにため息をついている泉が立っている。
「泉、どうしたの?」
余程焦って走ってきたのか、薄らと顔に汗を浮かべていた。
呑気に廊下を歩いていた私にイラついたのか強い口調で言った。
「アンタ、学院の魔女を探してるとか言ってるらしいねえ。」
アイスブルーの透き通った瞳が細められて、私に視線が向けられる。
何故泉が学院の魔女を探していることを知っているのだろうか。
「うん、探してるけど…なんで知ってるの?」
泉は私の問いに大きくため息をつくと、目をこちらに向けて私を見据える。
「いや…?ウチの末っ子くんから聞いてねえ。」
末っ子…というのは多分、Knightsの司のことを指しているのだろう。
司に教えてもらったのならばそう正直に言えばいいのに。
「王さまとなんか駆け引きしてるらしいけど、そんなのに魔女を使うのは止めた方がいいと思うけどお?」
王さまとの駆け引きというのは、"1週間以内に学院の魔女を見つけられなかったら罰ゲーム"というやつのことを言っているのだろうか。
Knightsのユニット練習の時にレオがついポロッと言ってしまったのだろう。
…容易に想像できる。
「私が学院の魔女を探して…泉にマイナスなことが1つでもあるの?」
ニコリと口角を上げながら私はそう言うと泉は図星をつかれたという様に唇をぐっと噛んだ。
そして、何か傷ついたかの様に、切ない顔をして。
「紅茶部の…あの子、いるでしょ。」
あの子?
私がそう聞き返すと、泉は珍しく俯いて声を発した。
泉の長い睫毛が頬に影をつくる。
「天祥院じゃなくて、くまくんじゃない、1年のあの子。」
紅茶部の部員で、英智じゃなく凛月でもないといったらあの人しか思い浮かばない。
「紫之創…創の、ことでしょ?」
あー、そうそう。
泉はやる気なさげに私に向けてそう言うとニコリと愉快そうに笑った。
「紫之創って子…あの子が魔女を退学させた原因だよ。」
"____魔女ですか?"
"『知り…ません』"
"『何も、知らないです。』"
"『言えません。』"
「うそ、でしょ、」
あの創が、魔女を退学させた原因?
ずっと俯いて下を向いていた泉が顔をあげた時、
泉は今までに見たことが無いくらい冷たい目で私を見据えていた。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です!更新頑張ってください!応援しています!あ、Twitterフォロー失礼します! (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます!試聴最高でしたよね!!私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜!同感です**お話出来てとても嬉しいです!!** (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜!2winkPさん!!私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです**夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました!お話出来てとても楽しかったです!! (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんずあめ | 作成日時:2017年2月19日 22時