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魔女の正体のヒント4*2 ページ23




___先輩ハ



"事故"にあって学院からいなくなってしまったんダ。



夏目が珍しく苦しそうに口から出した言葉は、
私の耳に綺麗に届く。

夏目が大好きだった先輩が、事故にあって学院からいなくなってしまった。


苦々しく俯く彼はいつもの様に余裕のある笑みを浮かべていない。

キンコンカンコンという平和ボケした予鈴が遂に鳴り終わってしまった。

ああ、お説教は確実だ。


けれど、小さく縮こまった大好きな後輩を放っておくほど私の心は冷めていない。

ぐっと私に肩を掴まれた夏目は余程驚いたのか目を見開いた。


そして安心したかのように小さく笑うと口をゆっくりと開ける。

そして、言った。



「その先輩は、奇人の事がキライでネ。」


「奇人が…嫌い?」


「そうだヨ。」


ぐっと肩を掴む私の手を横目でチラリと見た後、呆れたように"力強いヨ"なんて言われてしまった。

私はゴリラかなにかなのかな?

ゆっくりと肩を掴んでいた手を外すと、夏目は授業が始まり誰もいなくなった廊下を懐かしむ様に眺めている。


「ボクはもちろん兄さん達…奇人が好きだヨ。
でも何故か、反奇人勢のその先輩に魅了されてしまったんダ。」

そう言った後、夏目は何かが面白かったのかふふ、と笑った。


「…結局兄さん達もその先輩の事が大好きでネ。
先輩は高嶺の花の様な存在だったヨ。」


"そのくらい、綺麗だっタ"

少し切なげにそう言うと廊下の壁に背中をくっつける。

その姿はとても儚げで、苦しそうでもあった。


そして同時に私はある事に気づいた。

「高嶺の花って…ことは、その先輩って女の人だったの?」

高嶺の花、という言葉は一般的には女性に例えるものである。

国語が苦手で毎回赤点をとり夏休みは補習で終わってしまうような私でもその位は分かる。

まったく、バカをバカにしてほしくないものだ。


「ああ、"アイドル科の唯一の女生徒"だったヨ。」

夏目がその言葉を口にした瞬間今までバラバラになっていたピースが1つになったような気がした。





『魔女はアイドル科の唯一の生徒じゃった』



『魔女…退学してますけど。』









『先輩(魔女)は…"事故"にあって学院からいなくなってしまったんダ。』





ああ、そういうことか。



魔女は学院の唯一の女生徒だったが
何らかの"事故"にあい学院から消えてしまった。








急に黙り込んだことを不審に思ったのか、
夏目は"どうしたんだイ?"と私の顔を覗き込んだ。



魔女の正体のヒント4*3→←魔女の正体のヒント4*1



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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です!更新頑張ってください!応援しています!あ、Twitterフォロー失礼します! (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます!試聴最高でしたよね!!私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜!同感です**お話出来てとても嬉しいです!!** (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜!2winkPさん!!私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです**夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました!お話出来てとても楽しかったです!! (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんずあめ | 作成日時:2017年2月19日 22時

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