魔女の正体のヒント4*1 ページ22
*
魔法使いに、昔1度なりたいと親に言い出した事があった。
キラキラとした純粋な心で親に『魔法使いになりたい!』と言うと杖を1本、誕生日の日にもらった覚えがある。
最初の頃は不思議な形をしたその杖に心惹かれるものがあったのか、ブンブン振り回しては家の中の物を壊していた。
今考えると背筋が凍る。
…なんて話を現に魔法使いさんである人に言うと冷たい目を浴びせられた。
「A…それはないヨ…」
朝のホームルームの前の少し空いた時間を使って廊下で夏目と無駄話をしていると、話題が[小さい頃の話]へと変わっていった。
だから…だから私の小さい頃の黒歴史を教えてあげたのに…
『昔話でもしようヨ』
そう言い出した張本人である彼は私の昔話(という名の黒歴史)を興味がないという様に軽く流す。
「…じゃあ夏目の小さい頃の話をしてよ」
私の黒歴史を軽く流したという罪は重いぞ…
夏目の小さい頃話も興味がないという様に流してやろう。
あわよくば小さく嘲笑でもしてやるぞ。
自信満々で夏目が話し始めるのを待っていると、急に風がビュンッと吹いた。
冷たい風が廊下を掛け、私の頬を掠める。
夏目はその風を待ってましたという様に口を開いた。
「小さい頃とは言わないけど…1年前の話。
ボクには当時、大好きな先輩がいたんダ。」
夏目に大好きな先輩が五奇人以外にいたというのが驚きだ。
「その先輩は笑顔がステキな人でネ。
1人の人間として、1人のアイドルとして尊敬していたんだヨ。」
___でも。
夏目はそう言いかけると同時に辛い、と表現する様に唇をギュッと噛み締めた。
しばしの沈黙が続く。
朝のホームルーム前の廊下はアイドル科の生徒で賑わい、そこに立っているだけで元気が枠という位希望に満ち溢れている。
けれど、私と夏目のその2人の空間だけは違った。
静かな空間が続き、少したった所で予鈴が鳴ってしまう。
キーンコーンカーンコーン…
3年の教室は2年の1つ上の階にある。
早く教室に戻らなければ先生のお説教の餌食になってしまう。
「あの、夏目。」
"また今度、詳しく聞かせて。"
私がそう言って教室へ戻ろうとしたその瞬間、
今まで苦しそうに沈黙を続けていた夏目が口を開けた。
__でも、その先輩ハ。
"事故"にあって、
学院からいなくなってしまったんダ。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です!更新頑張ってください!応援しています!あ、Twitterフォロー失礼します! (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます!試聴最高でしたよね!!私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜!同感です**お話出来てとても嬉しいです!!** (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜!2winkPさん!!私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです**夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました!お話出来てとても楽しかったです!! (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんずあめ | 作成日時:2017年2月19日 22時