命令:学院の魔女を１週間以内に見つけて下さい【月永レオ】

騎士は魔女を倒さない。 ページ18

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レオside


「なんですか！？この美味しいsnackは！！」

"ポテチって言うのよ司ちゃん、"

ナルがスオーに向かって苦笑いを浮かべながらそう教えるその姿はまるで親子のようで微笑ましく見える。



Knightsのレッスン室はおれから見てもカオスと化していると思う。


けれどいつもあーだこーだ五月蝿いセナが今日は何故か静かだ。

何かを深く考えるように腕を組み首を捻る。


おれは作曲をするのを一旦中断し、セナに声を掛けた。

「おいセナー！どうしたー？暗いぞ？」

おれの一声で部屋がシンと、静まり返った。

…何かマズイことをしたのか？


後ろから視線を感じそちらへ顔を向けると、スオーとナルが小声で何かおれに訴え掛けている。


「何やってるんですかreader！」

「泉ちゃんが静かなんて失恋しかないでしょ！？」


…失恋、か。

2人の小さな訴えにおれは首を捻った。
セナが、失恋？

セナに好きな人がいたことが驚きだ。

「俺、失恋なんてしてないんだけどお。」


もう1度セナに失恋した事について教えてもらおうとしたその瞬間、セナが声を出した。

失恋…じゃない？


「セナが静かなのは失恋のせいなんじゃないのか！？」


「え、違うんですか！？」


おれとスオーがほぼ同時にセナにそう言うと、本人ははあ、とため息をついてから口を開いた。

「俺が静かなのは失恋のせいって、誰が決めたのさあ。」



髪の毛をいじりながらそう呟くセナ。

やはりアイドルだ。画になる。


「じゃあ失恋じゃないならなんでセナは静かなんだー？」

"その、普段は五月蝿いのに…みたいなのやめてくんない！？別に静かじゃないしい。"


セナはそう言うと気が緩んだのかもう1度大きくため息をついた。

そして小さく口にした言葉。



「…Aが、学院の魔女を探してるって。」





「Aちゃんが？」


ナルはAが魔女を探していると知った途端、眉を少しだけ潜める。


反応が、いちいち大きいヤツだ。







スオーはセナの言葉に少しだけ考え込んだ後、考えた結果の答えを口に出した。









「天祥院のお兄様が…魔女探しには加担はしない、逆に邪魔をさせてもらうよ、と。」






天祥院が…魔女探しを邪魔する？









「魔女の退学の原因である紫之君も魔女探しの邪魔をするteamに加担していると。」








"…そう、おっしゃってましたよ"







そう言ってスオーが新た開けたスナックが


コロンと一つ、床に転がった。




…

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